切り花用 保水キャップ・フレッシュホルダー

2022年4月12日

保水キャップとフレッシュホルダーは、どちらも切り花に水を持たせるためのツールです。

このようなツールは、花作品の製作者が絶対に持っているべき、というほどのものではないです。必要になってから入手すれば十分だと思います。
または、普段からキャップ付きで入荷してくる花があったときに、それを捨てないで取っておくことにすれば良いでしょう。

保水キャップとフレッシュホルダーを使う際の注意点などは、下記の各項目をご覧ください。

切り花用 保水キャップとは

保水キャップには、色々な大きさのものがありますが、今、管理人の手元にあるのはこのくらいのものです。
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切り花用 保水キャップ・フレッシュホルダー

もっと大きいものも、小さいものもあります。
これは、何かの花材に付いて入荷してきたのを取っておいたものです。花屋では保水キャップなどすごく気軽に捨てるものですので、私はこれをお金を出して買う気になどなれません。
もしも、私が保水キャップを買うとすれば、特殊な大きさのものがどうしても必要になったか、大作用に大量購入する場合くらいしか考えられません。

保水キャップの構造と用途

切り花用 保水キャップ・フレッシュホルダー

保水キャップの蓋は、一つずつはずせます。花作品を作るときに、必要ならば蓋を取って使えます。

保水キャップを使うときには、
「蓋をはずして水を入れる→蓋をする→蓋の真ん中の穴に茎を挿す」
ということになります。蓋は、伸縮性のある素材になっていて、植物の茎をぴたっとホールドします。そのために、茎の太さが適正であれば、横に置いても水漏れすることは基本的にはありません。植物の茎が細すぎると、ホールドできないので、その場合には、何か詰め物をするとか、植物を2本以上挿すなどして調整します。
反対に、太すぎる植物を入れるときには、挿し口を少し切り広げて使ったりします。

保水キャップは、大きさにより、材質が少々異なります。小さいものは、頼りないペコペコのものが多く、大きいものは、厚くてかっちりしているものになります。大きいのにペコペコのものは、私は見たことが無いです。

保水キャップの使い道は、ほとんどランなどの切り花の輸送用です。なので、花作品に使用するという使い方は、かなりイレギュラーケースなのだと考えてください。

切り花用 フレッシュホルダーとは

フレッシュホルダーとは、下の画像のようなものです。

切り花用 保水キャップ・フレッシュホルダー

使用目的は保水キャップと同じですが、大きさや構造がやや違います。
フレッシュホルダーは、蓋と本体に分解できません。本体に、蓋の役目も、茎を挿す部分の役目も備わっています。

フレッシュホルダーにも、色々な大きさがあります。保水キャップと比べると、フレッシュホルダーは小さめで、やわらかいです。
やわらかいのは、茎を挿す機能と関係しているのだと思います。あまり固い素材だと、「茎をぴたっとホールド」するのが難しいでしょうから。
蓋がないので、水を入れるときは、細い口の水差しを使うか、スポイトのように吸い上げることになります。

フレッシュホルダーも、口の大きさと、植物の太さが合わないときには、保水キャップと同様に、口をぴっちりさせるための操作をしてください。

デンファレが売っているときに、フレッシュホルダー付きで売っているものがかなりあります。そういうものを買ったときに、とっておくと良いと思います。実際に持って比べると分かるのですが、フレッシュホルダーは、保水キャップよりも、さらにペコペコで「流通資材で消耗品です」という風情が色濃いです。なので、私は保水キャップよりも、もっとお金を出して買いたくないと思っています。

保水キャップ・フレッシュホルダーは、どこで入手する?

どうしても、給水キャップやフレッシュホルダーが必要になったら、まずは花の資材屋を見てみることをお勧めします。または、親しい花屋さんがいるなら、「こういうのが欲しいんだけど、入手できないだろうか」と相談してみても良いでしょう。

ネットだと、なんという商品名で売っているのか、私もよく把握していないのですが、まずは「花 保水キャップ」とか、「花 フレッシュホルダー」でググってみましょう。

楽天市場で探してみたら、どうやら意外と見当たりません。
花屋の資材というより、生産者用の出荷資材だからでしょうか。思いのほか小口では買い難いようです。(やっぱりこれからも「取っておく作戦」にしよう!)

※管理人は、この作品でフレッシュホルダーを使用しました(フレッシュホルダー、見えないですけど)→2014年草月展

保水キャップ・フレッシュホルダーを、花作品に使用するときの注意点

花作品に、保水キャップやフレッシュホルダーを使用するときは、ほとんどが、「花器や落としで水を飲ませられないようなところに花を配置したい」という場合かと思います。
そういう場合に、気をつけるべきことは、以下のようになります。

  • 蓋の密閉性を過信しない……ぴっちり隙間の無いように思える蓋ですが、過信して「逆さ使い」などするのはかなり危険です。キケンな使い方をしたいなら、事前にテストを重ねて、「絶対に大丈夫」という確証を得ましょう
  • 植物の種類によっては、キャップ内の水など数時間で飲み干すと知れ!……あんな少ない水の量で、「十分」と思うほうがおかしい。基本的には、あの量では水は「足りない」のです。足りない水でやりくりしてくれる植物と、してくれない植物があるので、その判断を誤らないこと
  • 必ず、テストしてから本番に臨もう……キャップやホルダーの給水には、大きなリスクがあると思って、本当に使用して大丈夫なのか、事前にテストで確かめましょう。水関連のことは、本番で「しまった!」と思ったときにリカバリが難しいですよ

素人さんほどそうなのですが、「植物は、水をやっとけばご機嫌が取れる」と思っている人がいます。それは、決して間違いではないのですが、保水キャップやフレッシュホルダーに水を入れてやった事で、自分はすっかり務めを果たしたものと思い、そこから先は「ご機嫌伺い」をしなくても良いと思ってしまうのは間違いです。
「ホルダーに水をやった→だから枯れないはず」、ではありません。ホルダーで水をお飲みいただいている時点で、植物に無理難題を言っているものと思ってください。
素人さんが戯れにやるなら、「あらら、ホルダーに挿してたのに枯れちゃった」でいいかもしれませんが、花作品の発表の場でそれをやったら、何を言われても言い訳できません。

もともと、輸送ツールですからね。本来は、一時的に使うものだということを、忘れないようにしたほうが良いと思います。

花道具・素材

Posted by sei