藁で正月飾りを作ろうとしたらものすごく大変だった話
こちらの記事でアップしますと予告したままになっていたことを思い出しました。
この記事は、「藁を使ったお正月飾りの作り方」というよりも、「藁を使ってお正月飾りを作ってみたらこんなに苦労しました」という記事です。次のお正月には作ろうと思っている素人の方(=私と同じレベルのド素人の方)は、ご参考に。
まえがき
この記事で作っている正月飾りは、「縄を作って、それを輪にして正月飾りにしよう」と思って作り始めています。
藁で何か作ろうと思ったときに、うちの父が子どもの頃に、農家の手伝いで縄をなっていたと聞いたことを思い出し、父に電話して「初めて藁に触る人間が、見よう見まねで縄を作れるものか? 無理と思ったらそう言ってほしい」と聞いてみたら、
「できるでしょう」
と、すごく軽い感じで答えたので、じゃあやってみようかという気になったのでした。
ホントに軽い感じで「できるでしょう」と言われたもので、2~3回練習したら、不格好ながらも縄の態になるんじゃないかと思って作り始めたのですが、非常に手ごわくて後悔しました。しかも、周囲が汚れます。大判のシートは必須です。ぜひとも参考になさってください。
ブルーシートを敷く
うちにある、一番大きいブルーシートを敷きました。屋内でするなら、絶対に必要です。

上の画像の、左下あたりに、粉みたいな藁クズがすでにこぼれているのが分かるかと思います。シートの上に移動させて新聞紙を開いただけで、こうなります。何かするたびに、こんな感じで汚れるし、ゴミも出る、ということです。
藁をやわらかくする
藁をより合わせて縄にするには、藁がやわらかくないといけません。藁をやわらかくする方法は、ネットで検索したところ、まずは「叩く」ことから始めるようでした。
叩くのはなんか大変だなあと思い、ちょっとやってみたのが、藁の束の上に新聞紙をかぶせ、その上に乗って踏んだり飛び跳ねたりして、自分の体重でなんとかする方法でした。が、これはほぼ効果がありませんでした。
あまりの効果の無さに、藁の束に対してすごく無力感を覚えたので、ごく少数の藁を相手にしてみることにしました。
寄り合わせる最小の本数として、「どう考えても3本はいるだろう」と思ったので、まず3本を束から抜き取って、

↑こいつを足でさんざん踏みにじったり、広辞苑(こういうときのために取ってある)の上に置いて金槌でたたいたりして、丸めても折れないくらいになったら、手で揉みました。さすがに、たった3本が相手なら勝負になりました。
同様な処理を数回行い、計18本の「柔らかくした藁」ができました。
作業中は夢中になっていて気づきませんでしたが、後になったら手のひらが赤くなっていてひりひりしました。叩いた後に、手で固いところが無くなったと思うまで揉む作業で、そうなったようでした。たった12本やわらかくするのに、この有様です。
藁を、より合わせてみる
いよいよ、藁をより合わせて縄にします。
とりあえず、3本持ってみて、

↑上の画像で、指で押さえているところを、膝の下に入れて抑え込みます。(ここから、なかなか画像が撮れなくなります)
そして、手で三本をねじっていきます。すると、結構ねじれました。

↑一カ所、折れてしまった部分があります。
じゃあ、4本でより合わせたらどうなるか。

↑一部がゴツゴツした感じになりましたが、なんとかなりそうな気がして、一回円を作ってみました。

↑ほつれたり、折れてしまって飛び出したりしている部分もあります。でも、そんなのは一部分だな、と思いました。一部分なら乱れても、そこだけ切ったりすればイケるのではないか……と、思ったので、一気に本数を増やして、6本でやってみるとにしました。
藁を6本より合わせてみたら、制御できなくなった
なんとかなるだろう、で6本でより合わせてみたら、輪にするどころではなく、藁が勝手に自分で形を作り始めました。

自然と、ねじねじになってしまいました。元に戻しても、すぐにねじねじ状態に戻ります。これをきれいな輪にすることは、少なくとも私には無理でした。
諦めて、もう一つ6本のより合わせを作ってみました。

↑左側のものが、2つめに作ったものです。なんか、アドビのアイコンみたいなものができてしまいました。これも、まっすぐに戻してやり直しても、またこの形になってしまいます。
右端に写り込んでいるものは、お手本にしようと思って出しておいた、既製品の正月飾りベースですが、こんなふうにできる気が全くしません。
三本目も作ってみましたが、1本目と同じようなねじねじになりました。これは、よほど経験を積まないと、円形にはできないと思ってあきらめることにしました。
あきらめるのは、「円形にすること」です。お正月飾りに仕立てることは、まだまだあきらめません。
二つのねじねじをより合わせてみた
現状、3本のねじねじができているわけなので、そのうちの2本を、いちどまっすぐに伸ばして、互いにより合わせてみました。すると、やはり勝手にねじれてきて、大型のねじねじが一個できました。

ねじねじ状態のまま、ワイヤーで留めました。ものすごく荒々しいねじねじになってます。
しかし、この荒々しさの元凶は、藁が飛び出している部分です。なので、飛び出し部分を鋏で切ってやりました。


ちょっときれいになりました。ちゃんとした細工ができる人から見ると、なにもきれいになってないのだと思いますが、まあちょっとは整いました。
藁の端の始末
ねじねじ部分の飛び出しを切ったので、藁の端の、ねじねじの反対の部分も切って整えたいと思います。


飛び出しを切りすぎても面白くないよね、といういけばな人的考えで、あんまし切れませんでしたが、なんとなくまとまりは良くなりました。
仕上げは別館でいたします
この記事は、「素人が、何の知識も持たず、見よう見まねで藁の細工を作ろうとするとこんな有様になるぞ!」という主旨で書いてきました。
結論として、部屋も自分も藁だらけになるし、手のひらは痛いし、輪っかをつくることすらできないけど、ねじねじが勝手に出来上がったよ、ということになりました。しかし、そんなことより疲れました。干し草小屋みたいになった部屋を片付けないで寝ちゃおうかな、と思う程度には疲れました。
おそらく、技術のある人に、手取り足取り教わったら、こんなに汚れないし、疲れないし、もうちょっときれいなものができるのだと思います。
でも、とりあえずねじねじは一個できたので、これを正月飾りに仕立てました。仕立ての様子は、別館:手作りリースの作例集の方でご覧ください→藁から作ったお正月風飾り
教訓:汚れたくない・疲れたくない者は、専門家を頼れ!
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