トゲトゲのいけばな材料を輸送する方法……ウレタンチップスポンジを使う

2020年6月1日

とげとげ素材の持ち運びは、どうすればいい?

花の展覧会などで、トゲトゲの花材や資材を運ばなければならないときがあります。そんなときに、とげをどう梱包すればいいのかという問題は、専門的な運送資材を持っていない人にとっては、なかなか厄介な問題です。

一番困るのは「梱包し、電車に乗って手持ちで搬入」という場合です。鋭いとげのある花材などは、人や、人様の荷物を引っかいたりしたら大変なことになりますので、しっかり梱包しなければなりません。その結果、クッション材やダンボールで何重にも巻き、本体の倍ほどもある巨大荷物になってしまったりすることもあります。
大きな荷物は、結局電車の中では人様に恐縮する元になり、しかも大きなものを運ぶ手間で本人は疲れ、花展時のストレスが倍増します。

ストレス倍増は嬉しくないので、手持ち搬入の可能性がこの先に何度もあると思えるなら、普段から梱包のアイデアを考えておき、使えそうなツールを賢く見つけて確保しておくといいです。(経験豊富な先輩やお仲間に、輸送ノウハウを聞いてみるのも大いに勉強になります)

今回、この記事で紹介する「ウレタンチップスポンジを使う方法」は、トゲトゲの輸送方法の、一例です。私としては、なかなか役に立つ一例だと思っています。
私は、この方法で、何度もトゲトゲの枝の搬入をしています。

ウレタンチップスポンジを利用する

下の画像は、夏みかんのトゲです。

これは、私が実際に草月展に搬入した花材です。このトゲトゲを、最初は手持ちの段ボール箱を貼り合わせたものの中に入れて運ぼうと思っていたのですが、それだと嵩が大きくなることに気づき、もっと良い梱包材を探していて、ウレタンチップスポンジにたどり着きました。

ウレタンチップスポンジとは、このようなものです。

これは、買ったものではなく、鉄製オベリスクを購入したときに、箱に入ってきたクッション材でした。
私が、「これは使える!」と思ったのは、とがった部分のあるアイアン製品のクッション材だったことと、なかなかの固さ・厚みがあったからです。これを、トゲにセットできる大きさにカットして、トゲの部分に刺してみたらどうかと考えました。

固さが頼りになる、ウレタンチップスポンジ

さっそく文房具のハサミで切ろうと思ったら、固さにまったく歯が立ちませんでした。しかしこの固さ、頼りになります!
結局、クラフト鋏でも、花屋さん鋏でも切れず(切れることは切れますが、なかなか作業がはかどりません)、カッターが一番早く切れました。カッターで、のこぎりで木を切るみたいに、ギコギコと引いて切りました。

こんな大きさに切ったものを、とげの数だけ切り出しました。
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スポンジを、トゲに挿してセットする

切り出したスポンジを、トゲに刺していきます。

危険な部分にはすべて刺します。

このトゲは、とても鋭いトゲだったので、軟らかいスポンジだったら突き通してしまって、クッション材の役目は果たせません。ウレタンチップスポンジがうちにあって本当に良かったです。

すべて刺すと、下のようになりました。(夕方に作業したので、暗い画像でスミマセン)

スポンジを刺すことで、一回り大きくはなりましたが、これに新聞紙を二重に巻いただけで手持ち輸送できました。花袋にも、楽々入る大きさです。

私は、花展が終わった後も、このサイコロ状のスポンジを処分せずに取っておき、今までに何度も使いまわしてます。新しい夏みかんのトゲを収穫に行くときも、このカットスポンジを持って行って、手持ちで輸送しています。