パームボート

2020年5月19日

巨大なパームボートです。(巨大さをわかっていただきたくて、わざと周囲のものを写りこませています)大体、全長140cmくらいあります。

パームボートというのは、ヤシの葉柄の部分だけを切って来たものです。触るとカチカチに固く、ドライフラワーショップのカテゴリ分けでは「枝もの」に分類されていたりすることもありますが、私の感覚で言うと、「枝もの」というのはちょっと違うんじゃないかと感じます。
でもまあ、要する「木質化した、面白ドライ」です。いけばなをする人には、非常に人気が高い素材です。

ここが、パームボートになる部分

上に、「パームボートは、ヤシの葉柄です」と書きました。じゃあその葉柄ってどこなのか、といいますと、下の画像の赤丸の部分になります。

↑この部分は、ヤシの葉っぱの、根本の方の固いところです。その部分が、カラカラに乾いたものがパームボートです。
しかし、この記事のパームボートは、かなり特殊な部類に入りまして、普通は、140cmもの長さはありません。花の資材屋、ドライ花材屋で売っている一般的なパームボートは、せいぜい70~80cmくらいです。1mもあったら、「おお!」って言うほど立派なんです。140cmもあるのは、モンスター級と言うべき品です。私も、こんなに大きいものは初めて見ました。

140cmの葉柄ってありえるのか?と思いましたが……

↑こんなヤシならあり得るんでしょうね。

接近画像

大きすぎて全体の画像が撮りにくいので、もっと接近した画像を貼ります。

木質化してるんだな~というところが分かると思います。これなら、ビス打ちも可能です。

反対側は、下のように筋が入っています。

これはこれで面白いです。

デカすぎて持ち運びに困る

目下、この素材の扱いで、一番困っているのは置き場所です。とにかくデカくて困っています。仕方ないので、現状では廊下の隅に立てかけてあります。

そもそも、これを家に持ち帰るときにも相当困って、超大判の風呂敷で、こんな風に包んできたのですが……

ナギナタの稽古の帰りみたいでした。
今後、持ち歩くときも、多分こんな「ナギナタ風」の持ち運びをすることになると思います。

デカすぎて生け方に困る

このパームボートの巨大さは、持ち運びだけでなく、使い様にも困ります。

パームボートを使ういけばなというのは、決して珍しいものではなく、花展などではよく見られるものです。「いけばな パームボート」で画像検索してみると、こんな結果になります→いけばな パームボート
意外にも、どクラシックなお流儀花にさえ、パームボートは使われるのです。

しかし、いかんせん、私のこのパームボートは大きすぎます。もう、1本ドーンと置いたらそれ以上どうしていいかわかりません。良い使い方を思いつく頃には劣化してボロボロかもしれません……。

パームボートの使い方で、いけばな以外でよくあるのは、デパートのディスプレイとかテレビのスタジオ背景などに、オブジェ的に置いておく、という方法があるんですけど、この大きさではそれも難しいというか、相当場所を選ぶと思います。

パームボートはどこで入手できる?

このパームボートは、花展用の花材として仕入れられたものです。つまり、花屋で売っていたものです。しかし、花屋といっても、かなり特殊花材を扱う店でしたので、この大きさのパームボートを入手したいとなると、注文で探してもらって(結構お高くなる可能性大)、それでもあるかどうか、といったところかと思います。

70~80cmくらいの、普通のパームボートでしたら、もっと気軽に入手可能です。
花屋、資材屋、ドライ花材屋、インテリアショップなどで売っています。いつでも必ず売っているというものでもないので、探して買おうとすると難しいこともあるかもしれません。

サイズにこだわらないのであれば、パームボートは、買わずに調達することも可能です。ヤシの木が植わっている場所に行けば、葉柄が自然落下していて拾えるからです。
私は東京に住んでいますが、都内の某公園の近くで、短いものなら拾えることを知っていますし、千葉の館山あたりや、伊豆半島あたりで、「これは良いパームボートだ!」と思えるものが落ちているのを実際に見ています。また、実家の近所に、大きなやしの木が庭の真ん中にそびえている家があって、あのお宅に相談すれば、きっと「持って行ってもらえると助かります」と言われるだろうな、という場所の目星をつけています(ヤシを植えている人にとってはゴミですからね)。

ただし、自分で拾ってきたものは、自分でキレイにお掃除しないといけないので、めんどくさがりの人には勧めません。でも、旅行先などで、ヤシの木が並んでいるところに通りかかったら、ちょっと「落ちパームボート」を観察してみると面白いですよ。もしも、とびっきり面白い形のものを見つけたら、車に積んで帰る気になるかもしれません。