自分が使った花材事典:タカノツメ(赤唐辛子)

2018年12月5日

タカノツメって、料理に使うあれのこと?と思った方がおられると思いますが……まさにその、タカノツメです。あの、辛いタカノツメです。(切花で出てくるタカノツメは、農薬をどう使っているか分からないので、不用意に噛んだりするのはやめましょう)

タカノツメを、花材に使う面白さは、やはり、色と形ですので、これを生かすことを考えるわけです。しかし、あまりにも「食材感」が出ると、花作品としては興ざめするポイントになったり、変に現実感が出てダサい印象を与えたりすることもあるので、加減がなかなか難しいです。

タカノツメの赤は、強烈でいいですね~。

強烈な赤の色を生けたい、でも、花で甘くするのは嫌だ、みたいなときにも活躍してくれます。

↓一本に付く実のボリュームはこれくらいでした。

大体、標準的な実付きだと思います。

画像のタカノツメは、茎を短く切ってしまっています。作品に、そうする必要があったので、すべて切ってしまいました。
↓枝分かれする部分で切ってあります。

切る前の枝つきは、大体コニカルブラックと同じような感じです(コニカルブラックも唐辛子の仲間ですから)。

上にも書いたように、私はこれを切花として買いました。八百屋に、枝付きのタカノツメが売っていることもありますけど、私にとっては、「いける用」に買うなら、どちらで買っても同じことです。どの店で売っているかではなく、見た目のきれいさと、ボリュームと、値段の方が重要です。
タカノツメなんて、花屋で売ってるわけないだろ、というあなたは、秋ごろの花屋の店頭をじっくり見てみることをおすすめします。
タカノツメは、町の花屋さんで、まったく普通の顔をして売っています。なんなら、作り束(=花束にできてるのを店頭に置いてるやつです)のポイントに入っていたりします。お値段もあまり高くなくて、買い易い花材です。

私は、11月頃に入手したタカノツメは、クリスマスリースに使うことが多いです。タカノツメって、水から離しておいても、冴えた赤色を保ってくれる期間が長いんです。私は、たまにタカノツメオンリーのリースを作りますが、なかなか面白いのでおすすめです。

↓これ、水に挿さずにその辺に置いといて、1ヶ月半くらいたった画像です。

要するに、スーパーの調味料コーナーに売っている乾燥タカノツメと同じことになるわけです。
同じものならということで、食材の方の乾燥タカノツメを買って使うのも、賢い方法の一つです。100均などで売っているものは、ドライ花材で売っているものよりも、安い場合もあります。実のところだけ使うなら、枝つきの切花でなければならない必要はありません。
展覧会作品などで、大量に使うような場合は、問屋で業務用並の大口仕入れをすると、かなり割安で購入できます。
大量の赤唐辛子って、迫力があるので、いけばな屋の創作意欲を刺激するらしく(刺激物だもんねえ)、赤唐作品というのは、たまに展覧会に出現します。