自分が使った花材事典:ノバラ

2016年5月29日

夏のノバラなので、まだ青い実です。

私、ノバラは好きな花材です。丈があってあばれられるところと、色々ひねくっても面白いところがいいですね。


人が、「野バラの実」と聞いて想像するのは、赤い実の方が多いかもしれませんが、青い実は青い実でかわいいです。私は、クールな感じの花を生けたいときは、青い実の方がキマるような気がします。

野バラの魅力は、もしかしたら実よりも「枝つき」の方かもしれません。


とても力強いんですよね、ノバラって。この長いやつを、びゅんびゅん生けるのは、実に気持ちいいです。
「いい加減ガーデニング」で何度か紹介しているように、内には野バラの鉢が、現在三つあります。いずれも、切花の野バラの実からタネを取ったものでして、三年ほど前からつぼみを付けてくれるようになりました。こちらに、開花の画像があります→野バラの実生
ノバラは、ワイルドな一重咲きのバラなので、大抵2日くらいで花が散ってしまいます。なので、切花のノバラは、「花もの」で出荷されることはありません。
しかし、自家製切花だったら、野バラの花を飾ることができます。私は、いつか、花がたっぷりと房咲きになったノバラを生けることを夢見ています。

ノバラは、蔓状なので、枝を人の手でしならせることに、かなり耐えてくれます。
わっかにしてみると、こんな感じです。

私は、これを個人的に「外巻き」と呼んでいます。
外巻きは、枝が放射状に広がって、とても開放的で、派手な印象を与えます。うまく使うと、見る人に、大きなインパクトを与えることができます。ただし、下手なやつが雑に作ると、「適当感」とか、「バカっぽさ」が生まれるので要注意です。

外巻きに対して、「内巻き」もありまして、こういうやつをそう呼んでいます。
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「外巻き」よりもおとなしくなることが多いですが、作りこみによっては、外巻きよりも強い印象になることもあります。

たとえば、実を真ん中に集めたりすると、視線をぐーっとひきつけられます。

ノバラは、リースベースにもなります。
青い実は、水から離すとすぐにシワシワになってしまうので、緑の実を美しいままリースにすることはできませんが、とりあえず実付きのままリースにしていってみましょう。

すごくナチュラルな、「野バラのご機嫌に合わせたリース」にしますね。(←きっちり作りこんだやつは、自宅用に作る気にならない)

まず、ノバラを一本取って、一回転させます。

ワイヤーも使わず、ノバラ自身のひっかかりで留めています。
この「爆発的放射状」のままでも、ものすごく開放感があって私は嫌いじゃありませんが、もうちょっと一般的なリースに作ってみましょう。

放射状に飛び出していた部分を、メインの「輪」の枝に絡ませていきます。

ただ、蔓を引っ掛けているだけで、この時点でもワイヤーなどの留め具は使っていません。
この段階で、すでに最低限の「リースベース」の態になっていると思いますが、もう二本ノバラがあるので、二本とも上の状態に加えていこうと思います。

はい、これが二本加えたものです。


少し、厚みにムラができましたので、最終的に飾りつけするときに、ほかのもので調整しようと思います。
実の部分は、蔓が乾いてカチカチになってから切り落とす予定です。
最初から、実を落として作らない理由は、実が良いひっかかりになるからです。ひっかかりを切り落としてしまったら外れてくる部分もあるかもしれませんが、その部分はワイヤーなどで補強します。しかし、実際には、そんなに外れることは無いと思います。丸い形に固まった後なら、実を切り落としても、ベースの形が崩れるほどのダメージは多分無いでしょう。