自分が使った花材事典:芋づる

芋づるを生けたことは、今のところ一回しかありません。(食べたことなら何度でもあります)

このときに使ったのですが、実にしっかりした、頼りになる蔓でした。
農家さんなら一目でわかるでしょうが、これはサツマイモの蔓です。

しかし、今後使うことは無いかもしれません。少なくとも、しばらくは使わないでしょう。
そんなことを言う理由は、こいつが「芋」であることを、生け手として知っているからなのだと思います。

所詮サツマイモじゃん、ってなるんですよね。
いや、この言い方は語弊があるかな。でも、突き詰めると「イモじゃん!」ってことなんですよ。「イモごとき」をいけばなにしようと思ったら、これは高度な抽象化能力とか、センスが無いと、ダサダサになりかねんのです。

素材としては優秀だと思うことがいろいろあります。
上にも書いたような、強靭な蔓とか、
重なり合う豊かな緑の葉とか、

勝手に発根してくる水揚げいらずのところとか。

好きな部分だってあります。蔓の先端の繊細なところ、良いですね!

でも、「イモを超えた美を!」と思いながら生けるのはくたびれました。

勝手にくたびれているだけなのかもしれませんが、私にはなかなか難しい問題でした。