自分が使った花材事典:青竹

2020年2月9日

竹は、保存することもできるので、ストック花材のほうにアップしようかとも思ったのですが、青いままで保存ということはできないので、こちらの花材事典にアップすることにしました。

1メートルちょい超えの長さのものが2本。大した長さではないですが、生の竹なのでずっしりと重いです。同じ長さ・太さでも、乾いてカラカラになった竹だと、かなり軽くなります。

直径9cmくらいの竹でした。

これは、人様が一度お使いになったものを頂戴したものです。思い起こせば、私は自分のお金で竹を買ったことが一度もありません。我が家へやってきた竹は、すべて人のお下がりか、花屋のゴミを引き取ったものです。このあたりに、私の「下っ端人生」が明確に現れております。

まあそんなことはさておき。この竹は、うちで切り分けて花器にしたり、いけばな素材にしたりして使いました。

穴つき青竹でした

人のお下がりなので、加工の跡があります。

ところどころにこのような穴が。

これは、ワイヤーをかけるために、ドリルで開けた穴です。
こういうのは、傷といえば傷なのですが、後々自分が使うときに役立つこともあります。

青竹を切って花瓶にする

竹には、「節」というやつがありますので、

節が底になるようにのこぎりでカットすると、あっという間に花瓶ができます。

私は大雑把に切ってしまっていますが、本気で素敵な花器にしようと思ったら、口に段差や割れができないようにきれいに切り、底も斜めにならないように切りましょう。底が斜めだと、直立しなくなってしまいます。わざと斜めに切って、傾けることもできますが、斜めすぎる切り方だと立たなくなってしまいます。

青竹は、いずれ色が褪める

青竹を取っておくと、徐々に青い色が褪めていきます。
最終的に、茶色というかベージュというか、要するに竹細工の色になります。なので、「色が褪める=汚くなる」ではありません。そんなことを言ったら、世の中の竹細工はみんな「汚い」ことになります。実際に私は、すっかりベージュ色になった竹を何本か持っています。
ただ、青い色を一回見ていると、それが褪めたときに「あの青が無くなってしまった」という残念さは感じることが多いです。

青竹の色が褪めるのは、「切り口」からです。切ったり割れたりしたところや、穴を開けたところから、少しずつ乾いていって色が抜けていきます。青竹の、「本当の、切ってきたばかりの青」が保たれるのは、季節にもよりますが一週間弱くらいのものです。
でも、一週間くらいなら、十分きれいな「青竹」と言えます。切りたての青と比べると徐々に褪めてはいるんですけど、大型の展示などでは、そんなのはほとんど目立ちません。

参考として、切って穴を開けて、10日くらいたった青竹の画像を貼ってみます。

「切り口や、穴を開けた部分から乾いていく」のが如実に現れています。

でも、切り口から遠い部分はなかなか乾いてこないわけで……

↑この青竹を切っている画像は、青竹入手後1ヶ月以上たったときのものです。この竹の切り口、つまり「上下」の部分は、3cmくらいは色が褪めていました。

青竹は、カビが出ることもある

青竹を扱っていると、重さや、加工したときに出てくる水分から、
「竹というのは、こんなに水を持っているのか」
と感じます。
で、その水分があだになって、カビが出てしまうことがあります。

私の経験だけで言うと、青竹のカビ発生率は結構高く、屋内で何かに包んでおいておくと、かなりの高確率でカビます。
屋外で、そのまま放置すると、屋内よりはカビ発生率が抑えられます。

また、一見カビを回避できたと思ったときでも、切ってみたら内部がカビていたということもあります。このようなことから、青竹はやっぱり生ものなんだなあと実感します。
竹がカビてしまったら、私は基本的には捨てますが、きれいに洗って、着色して使うことも考えないではありません。いつか試すことがあったら、画像を追加しておきます。

切れっぱしも、一応取っておいてみる

私は、竹の小さな切れっぱしをよく取っておきます。

上の画像の竹は、高さ15cmくらいで、割れが入り、一部の表皮が剥げ、穴も開いていますが、捨てるのはいつでもできると思って、とりあえず道具部屋に転がしています。
こんなもので、意外に面白い稽古ができることもあります。