自分が使った花材事典:アンスリウム(赤)

2024年4月14日

白いアンスを先にアップしてしまいましたが、一番よく出回っているのは「赤」の方です。

この独特な花は、赤いハートに見立てられたり、中央の突き出た部分(本当は、この部分が花です)が鳥のくちばしのようだといわれたり、角度によっては人の顔のようにも見えます。

後姿も印象的。

白いアンスの記事にも書きましたが、アンスリウムというのは、サトイモの仲間なのです。
この記事の画像で言うと、赤い部分は「苞」であって、正確には花ではありません。

画像のアンスリウムは、ピーンとまっすぐな茎ですが、これが大きく弧を描いていることもあります。茎の線の形や、顔の向きは、生け花にするときに、作品の形を大きく左右することもあります。

↑見れば見るほど個性的な顔です。あまりにも面白すぎ、しかもテカテカしているので、20年くらいまえには、素人の方は「ビニール製の造花」だと思われることも多かったのです。
私は、草月展で、赤アンスを指差して「造花使ってる」と言っている人を、追いかけて「生花です」と言ってやりたかったことがありました。(私の作品ではありませんでしたが)

「造花だ」と言った人は、多分、自分もいけばなをやっている人だったのだと思うのです。草月ではなく、他流だと思われます。聞こえてきた会話の中で、「造花を使っているようでは、草月はダメだ」という意味のことが言われていました。

他流の、どちらの流派様か存じませんが、アンスリウムを知らないあんた様の方がダメだと思いますよ……と、言てやったら良かったのでしょうか。