ゴミすくい
100円ショップで買いました。本来の使い道は、お風呂などに浮いたゴミをすくうものです。これは、花展用の道具としてはかなり定番でして(メーカーさんはそんなことは全くご存じないと思いますが)、大きく水面を見せる水盤などに生けるときに、水の表面に浮かぶゴミをすくって捨てるときに使います。
花器の水のゴミをすくいます
水の表面のゴミをすくうには、台所で使う「あくとり」を使う人もいるのですが、私は、
- ネット面が大きいので、一度に広い面のゴミをすくえる
- ネットの目が「あくとり」よりも細かい
- 中央にゴムがかかっていて、ゴミを落とすのが簡単
という理由により、「あくとり派」ではなくて「ゴミすくい派」です。
水盤に使う、と言うと、「普段のお稽古花で、そんな面倒なことをするのか?」と思われるかもしれませんが、家庭でいけるような小さな水盤には、ゴミすくいをかけるようなことは普通はしません。
花展などの展示用や、このくらいのクラス⇒鉄角水盤 の大きな水盤を使うときに、水面が汚いと見る人が興ざめするものですから、目に見えるようなゴミを取り除くために使うものです。特に、水面を大きく見せて、水面の美しさで勝負するような作品には必須の作業です。
ゴミすくいは、花展でよく使われる
草月展のいけこみなどでは、水面を見せる作品を作る人は、絶対に何かしらの「ゴミすくい用品」を持って行きます。素人さんには、
「水面のゴミなんて、そんなに目立つのだろうか」
と思われるかもしれませんが、これが思いのほか目立つのです。
水面に浮いてくるゴミというのは、
- 水盤にもともと付いていたゴミ
- 花材から出る木の皮や花粉など
- 水の上に落ちてきたほこり
などが主となります。実は、一番やっかいで、一番目立つ代物が「3」のほこりなのです。特に、デパート花展のほこり、ホテルのロビーのほこりは強力です。人の行き来が激しい場所ほど、ほこりが多いです。
ほこりというやつは、
- 生け手が注意を払おうが、払うまいが落ちてくる(スキルで回避できない)
- 「降り止む」ことがない
- 軽いので水面に浮き、ライトで光る(つまり、一見して存在が明らか)
……というような点がやっかいなんです。巨大水盤を使うような作品は、朝の手入れの時間には、ゴミすくいを持った人が3~4人も取り付いてほこりをすくっている光景が見られます。
この「100円のゴミすくい」というものは、いつから流通していたのでしょう? 私が使うようになったのは、100円ショップというものが、街中に多数存在するようになってからのような気がします。
その前の時代には、手製の「ゴミ取りネット」を使っていました(今でも、人によってはこれを使っています)。
先輩に作り方を教えてもらって作ったのですが、針金ハンガーを縦にぎゅーっと伸ばしてしまって、ひし形みたいな形にして、そこにストッキングをかぶせて作るものです。これを、最初に考案した人はエライと思います
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