自分が使った花材事典:ヘリクリサム

ヘリクリサムというより、「ムギワラ菊」とか、「カイガラ草」とか、「貝細工」と呼ぶほうが、私にはしっくりきます。

ヘリクリサムは、個性的な花

やたらに貝殻呼ばわりされているのは、この花弁の質感が、カリカリシャラシャラしていて、うす~~い貝殻で作った細工物みたいだからです。

「貝殻感」が伝わりますでしょうか……。

この固いカリカリな花弁のおかげで、ヘリクリサムは、一昔前のドライフラワー界では主役級でした。私の世代では、「ドライフラワー」と聞くと、一番先に思い浮かぶのはヘリクリサムです。

ヘリクリサムとはそんな付き合い方をしてきたので、花以外の部分にあまり注目してこなかったのですが、実はこの植物は、葉っぱも枝つきも個性的だということに最近気づきました。

要するに、すべてのパーツが一癖ある植物です。

この色は……

今回のヘリクリサムはあまりにも鮮やか過ぎるので、多くの人は一目見て気づくだろうと思いますが、実はこの色は天然のものではありません。

下の画像を見ていただくと、ピンク色にムラがあることがわかります。

この色は染料を吸わせている人工色です。

このヘリクリサムは色味があまりにも「着色料っぽい」のでわかりやすいですが、相当天然色に近い人工色でも、触ると「吸わせてんな」とわかるものです。
気づくポイントとしては、「切り口から色水が出る」「花弁の一部や葉の先に、不自然に色がたまっている」「茎の切り口に、色水の通った痕跡が認められる」などです。

ところで、ヘリクリサムの着色ですが、すべてのヘリクリサムが着色で出荷されるというものではありません。その辺のお庭に咲いているヘリクリサムを見ていただけるとわかりますが(結構気軽に栽培されてます)、ヘリクリサムはきれいな色のものがたくさんあります。むしろ、なんでこのヘリクリサムは着色しているんだろ、と思います。本当は何色なんだろう……白なのかしら?

ヘリクリサムをドライフラワーにする

ヘリクリサムは、既製品のドライフラワーでも売っています。最近は、ハーバリウムの花材として、大いに株を上げています。

フレッシュなヘリクリサムを自分でドライフラワーにすることも簡単にでき、もちろん画像のヘリクリサムもうちで自家製ドライにしました。

一本まるごとドライにすることもできますが、今回は花のヘッド部分だけを乾かすことにしました。

こんな風に、花首を切って重ならないように並べ、乾かしていきます。

なんかつぼみばっかし、という風に見えますが、心配ご無用です。乾いてくると、この花はパカッと開いてくれます。

開けないほどの若いつぼみも、きれいに乾くので一緒にドライにしました。

カリッカリに乾くまでに要した時間は約二日。乾かした花の中で、二つほど中央の部分にカビが出たので処分しましたが、ほぼ手間もかからずに楽チンなドライ製作でした。