自分が使った花材事典:若松

2019年12月22日

正月花に生ける松としては、一番基本的な松です。

若松 生け花

若松は、門松にも使いますし、コスト的にも使い易いですし、暮れの花屋が一番多く入荷する松と言えると思います。
それはつまり、「ありきたりな松」ということでもあって、いけばなを習っている人は、一度くらい「若松離れ」を経験することが多いです。

若松以外も生けたい!

いけばなを習い始めて、最初の正月花を稽古するときは、若松をあてがわれることがほとんどだと思います。いや、「あてがわれるタイプ」の稽古場では、何年たっても若松しか生けられないこともあります。

そうすると、多くの人は、若松に飽き足りない思いを持ち始めます。
「もっと別の松にも触りたい」
「少し高くても、五葉とか、大王松とかがいい」
と思って、若松をつまらない松だと思い始めたりもします。

つまらないなんてこと無いんですけどね。でも、若松しか生けられないような環境があると、人はそう思うのが普通だと思います。

本気で生けると、若松は思いのほか難しい

しかしですね、本当に自分らしく生けたいと思うと、若松は難しいんですよ。若松って、どうやっても若松なんだもん。
人が、勝手に若松の中に様式を見るんですよね。一生懸命、「私の若松」を表現しようとしても、人は「私の」は見ないで、「若松」だけ見てお帰りになってしまうような感じなんです。

逆に、「決まりきった感じに生けたい」とおもうなら、若松の様式に、思いっきり乗っかると話しが早いです。だから、素人用の正月花には最適なんでしょう。

若松 生け花

↓葉の部分にもっと寄ってみます。

私は、青々とした葉の生命感とか、チクチクする質感とか、そういうものに注目して生けることが多いです。

【参考】松を扱って、手に松脂が付いたら、本サイトのこちらの記事を参照ください→松やに落とし松やに対策