剣山起こし(剣山の洗い方・掃除の仕方の情報も)
↑これが、剣山起こしなるものです。いけばなを習っている人以外には、全く知名度が無い道具です。
いけばなを何年か習っているような方や、剣山を使った花活けを日常的にしている方は、一つ持っておくと良いと思います。安いですし、一つ持っていれば、一生使えます。
剣山起こしの構造
剣山起こしは、二つのパーツからできています。剣山起こしの真ん中ほどで、ねじって二つに外れるようになっています。(私の見てきた剣山起こしは、100%この形だったので、全部こうなのだと思います)
↑画像の、左側のパーツは「お掃除用」、右側のパーツは「針起こし用」です。(使い方は後述します)
剣山起こしの大きさ
剣山起こしの大きさは、全長7cmくらいです。そして太さは、太い部分で5㎜くらいです。
要するに、かなり小さいです。そのため、見失ったり、仕舞い無くしたりしやすいです。それを防ぐために、多くの剣山起こしは鈴をつけて売っています。
剣山起こしの値段・買える場所
私の持っている剣山起こしは、30年ほども前に草月会館の売店で、150円くらいで買ったと記憶しています。
現在は、一番安いものでも400円くらいはします。
売っている場所は、主に華道具屋か、花の資材屋です。もしかすると、花のツールが充実した手芸店にもあるかもしれません。
華道具屋に出入りする習慣のない方なら、ネットで買うのが便利です。小さいので、メール便で送料無料になっていることも多いです。
【日本製】剣山直しパール (華道具・生け花用品)剣山直し 鈴
剣山起こしの使い方……針の直し方
剣山というものは、固い枝をさしたりすると、意外と簡単に針が曲がります。たぶん、その柔軟性が無かったらむしろ使いにくいのだろうと思います。
そのため、たびたび枝をさしていると、いつか針のあちこちが倒れていってしまいます。
その倒れたor曲がった針を直すのが、剣山起こしのメインの役割です。
針起こし業務をするのは、剣山起こしの二つのパーツのうち、下の画像の「右側」の方です。
右側のパーツは、中空の「パイプ」になっています。
では、実際に曲がっている針を直してみましょう。
下の画像の剣山は、何か所か針が曲がっています。
一目ではわかりにくいかもしれませんが、上の画像の剣山は、結構な本数の針が曲がっています。
曲がっていない、まっすぐな針に、剣山起こしのパイプを挿しこむと垂直に立ちます。
同じように、曲がった針にパイプをさしてみると、こんなに傾いていることが分かります。
↓ ↓ ↓
この曲がった針を直すには、剣山起こしでグイっとまっすぐにしてしまえば済みます。
剣山起こしをつかんで……
垂直に直します。
力はほとんど必要ありません。子供でもできる作業です。
おまけ
剣山起こしを使えば簡単に針を扱えることを示すために、わかりやすく剣山の針をまげてみたいと思います。(普通はわざわざすることではありません。てゆーか、やらない方が良いです)
針がまっすぐな剣山に……
剣山起こしのパイプを挿しこんで……
手で剣山起こしをぐいっと曲げると……
↓針が、こんなに曲がります。
とても簡単に針を曲げられます。剣山の柔軟性を考えると、曲がった針を直すのに、針の場所によっては(一番外側の針なら)ペンチでもできるような気がします。しかし、針の林立する中の方のものが曲がったら、ペンチなどの工具をさし入れることができません。
剣山起こしは、小さなパイプ型の単純な造りの道具ですが、代用品が意外と家庭の中では見つけられません。つまり、剣山起こしが無いと、曲がった剣山の針はもとに戻せないのです。
「これがないとどうにもならない」という、優秀な道具です。
剣山起こしを使った、剣山の掃除の仕方・洗い方
剣山起こしのもう一つの使い方ができる、「お掃除用」の方のパーツの解説です。
お掃除用パーツの方は、大きさも形も爪楊枝に近いです。
この「針」で、剣山の針の間のごみをかきだします。剣山の中に入ってしまったゴミは、水で洗うだけではなかなか取れません。針の密度が高い剣山だと、水だけでは「ほぼ取れない」に近いです。(高圧洗浄みたいなクリーナーでやったら違うのかもしれませんが)
剣山を、一度洗ってさっぱりさせたいときには、事前に剣山起こしの針で掃除をして、そののちに水洗いするのが良いです。
下は、うちの道具部屋の、しばらくお掃除していない剣山です。
全体的にうっすらとゴミがたまり、針も何か所か曲がっています。
これを、剣山起こしの「針」の方で掃除します。
剣山の針の間を掃除するのは、爪楊枝や竹串でもできることはできるのですが、意外と力を入れるとすぐに折れるので、何度も折っているとストレスになってきます。爪楊枝、竹串でやるなら、5~6本折ってもいいよ、くらいの気持ちで着手しましょう。
↑このくらいのゴミをかき出しました。剣山の周りにゴミが散らばっています。
私のいつもの剣山掃除の仕方・洗い方
私の個人的な剣山の掃除・洗い方のことを書きますと、私は基本的には年に1回は必ず「大掃除」をし、可能であればさらにもう一回するつもりでいます。時期としては、2月か、6月に行い、すべての剣山を一日できれいにします。(うちは剣山の数が多いので、一般的なご家庭とは状況が異なります)
必ずすることは、「ゴミをかき出し、曲がった針を直す」ことです。水洗いは、その時の気分とか、剣山の汚れ具合でするので、毎回必ずはしません。
ゴミを取っているときに、やけに取りにくい汚れがあって、汚れをふやかした方がいいと思ったら、剣山をしばらく水につけて、それからゴミ取りをします。
私は、これ以上のことは、必要に迫られなければやりません。漂白剤に付けたりとか、黒剣山を塗りなおしたりとか、
「そうするべきだ」
と思ったらしますが、いつものルーチンとしてはしていません。
こういうところは、家の掃除や食器洗いと同じで、「した方がいいと感じる」とか「しないと自分が気持ち悪い」などの感覚に従えば良いと思います。
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