自分が使った花材事典:うめもどき

2019年4月9日

私にとっては、好きなのにうまく生けられない花材です。


赤い実たっぷりです。うめもどきが出てくると、秋の、実物のシーズンがやってきたなと思います。


「ツルウメモドキ」とは別のもの

うめもどきは、たまにツルウメモドキと混同する方がいます。ツルウメモドキは名前のとおり蔓なので、「うめもどき」を見て「ツルウメモドキですか?」と言う人はいません。しかし、「ツルウメ」を見て「うめもどきですか?」という人はいます。
しかも、私たち花業界人は、状況により「ツルウメモドキ」を「ツルモドキ」と言ったり「ウメモドキ」と言ったりするので、素人の方が混同するのも無理ないように思います。

うめもどきの魅力は、実の美しい色

実付き花材というものは、非常に魅力的な素材だと思います。
私は、実付き花材の魅力満載なうめもどきが大好きなのですが、上にも書いたように、生けるのはあまり得意ではありません。多分、私と同じように、うめもどきを「好きだけれども、扱い難い」と考えている人は多いと思います。

この、うめもどきというやつはですね、枝があんまり融通効かないんですよね……。全然曲ってくれないし、枝ぶりも、いいような悪いような感じです。うっかり実を広範囲に落としてしまうと(実がポロポロ落ち易いので注意して扱いましょう)、残った枝には、あまり魅力無いんです。
すると、頼るべきは赤い実の、実自体の魅力しかありません。

色にしかならんのか、おまえ。ってことになるんです。
なんか、もっともっと、あんなことにもこんなことにもできたらいいな、という脳内ビジョンを、枝を触っていくほどに諦めていくことが多いんですよね……(私の腕が無いだけか?)。

それでも、また来年に、うめもどきが出てきたら、また手にとって生け始めるんだろうなと思います。「嫌い!」と言って無視することはできない花材なんですよねえ。罪なやつです。