自分が使った花材事典:ダリア(黒蝶)

2016年6月11日

大輪ダリアの人気品種です。

花色は、濃すぎて黒味を帯びた赤。この色味がたまりません。この画像は、フラッシュを焚いてしまったので、実物よりもずいぶん明るい色に写っています。本物は、もっと凄みのあるような深い赤です。

黒蝶は、花色と、花の大きさ、花の開き方のいずれにも迫力があり、展覧会花材としては大変人気があります。
むしろ、家庭で飾るよりは、展覧会で使用するほうに元々向いている花と言えるかもしれません。水揚げがあまり良くないので、自宅使いすると、あっという間に花弁が周辺部から傷んできて、「もう枯れちゃった」とがっかりされるかもしれませんから。

展覧会用だと、私たちは「毎日取替え」のリスク覚悟でこの花を使います。お値段も、安くはないので、色々な意味で使う側のリスクは高いのに、黒蝶の人気は全然衰えません。
それはひとえに、この花の姿が限りなく魅力的であるからです。

ただ美しいだけではなく、妖しさも感じさせる顔です。

気高い女王のようにも、闇の世界の魔女のようにも演出できる、なんとも言えない雰囲気を持った花です。

私は、かつて一度、草月展で黒蝶を使いました。(画像はこちら
そのときには、バケツにスタンバイさせていた花が美しすぎて、作業の開始待ちしている私の横を通っていく人が、立ち止まって絶句するほどでした。
いつかまた、発表の場で使いたいと思います。(高かったので、そう度々は使いません!)