梅鉢

2020年3月17日

※花器カテゴリは、管理人が自分の所有花器を管理するために作成しているものです。(何らかの方法で管理しないと、持っているのを忘れることがあるので)


伯母から譲り受けた器です。元は、伯母と母の祖父、つまり私にとっては曽祖父になる人が買ったものだそうです。
私は、つい最近まで知らなかったのですが、曽祖父は、いわゆる「道具道楽」の人だったそうです。うちの母の実家は、マルキンかマルビかと言えば、圧倒的にマルビのほうなので、道具を買い込むようなお金のかかる趣味を持った人がいるとは意外でした。あるいは、その曽祖父のせいでマルビの家になってしまったのかも?

もしくは、マルビ的道具道楽の人だっただけという可能性もあります。
古道具屋で、二束三文のものをたまに買うのを贅沢としていて、
「これは良いものなんだ。見る人が見れば分かるんだ」
といいながら、ガラクタばっかり増やしている人っていうのも、よくあるパターンですからね。

本当のところ、うちの曽祖父は道具を見る目があったのか、無かったのか、今となっては分かりません。身内にその手の価値が分かる人間がいなかったために、彼の死後、コレクションはほとんど捨ててしまったそうです。コレクションの中で、実用的に便利だと判断されたものが僅かに残され、毎日の生活の中で使い倒されては壊れ、処分され……ついにこの鉢が、最後の生き残りとなりました。

紺の鉢に、梅の模様が入っています。
鉢の直径は、25cmほど。実用目的で処分されずに残ったこの鉢は、昔は結婚式など、人が集まるときに使っていたそうです。「結婚式で使っていた」ということは、多少「良い器扱い」を受けていたような気配が感じられます。
「紺の梅鉢」というのは、そんなに取り澄ました器ではなく、ありきたりな食器なんだろうと思うので、どの程度「良い器扱い」だったのかはわかりませんが。

↓鉢の底です。

あの……これは、伯母が物置(半分戸外みたいな物置です)の棚に、直に置いてるうちに汚れちゃったんだと思います……。
食器利用していたものを、何ゆえ半戸外に置く?とお思いでしょうが、この器は、祖母が亡くなってから食器の職務を引退させられ、伯母が「そのうち捨てよう」くらいの気持ちで物置に置いといたみたいです。
こんな大鉢の使い道、なかなか無いですからね。祖母も、晩年はこの鉢の「小さい方」しか使いませんでした。

実は、大小二つあるんです。

これは、元々二つ組だったのか、それとももっとたくさんあった中の二つだけが生き残ったのか、それももう永遠にミステリーです。

上の画像のように、「大小」と言っても、あまり歴然とした大小ではありません。手前の方が小さい器なんですけど、この画像では言われないと分からないかもしれませんね。
手前の小さい方の鉢を、祖母はお正月とか、お盆に人が集まるようなときに使っていたと伯母に聞きましたが、私はまったく覚えていません。

上の画像でも、何となく分かるかもしれませんが、二つの鉢は、色味が少々異なっています。「小さい鉢」の方が、紺色が明るく、梅の柄も白っぽいんです。伯母が言うには、「小さいほうはよく使ったから色が薄くなってるんじゃないの?」とのことですが……最初から差はあったんじゃないかとも思えます。

下が、小さい方の鉢の模様です。

大きい鉢の模様と、ほんのわずかですが違うように思います。

下は、「小さい方」単体の写真です。

私は、もちろんこれに花を生けるつもりです。そんなに食器くさくないので、普通に花器として活躍してくれそうです。底の模様を生かしてみても面白いですよね。

草月流お得意の、「花器二つ重ねの術」もイケるかな?

こういう、「先祖の買ったもの」というのは、無駄にロマンの領域を持っていますね。私は、これが「名物かも」という夢は見ませんが、「一体、どの程度の器なのか」ということは知りたく思います。ガラクタなら、「ガラクタです」が答えでかまいません。
だから、「鑑定団」みたいなTV番組ができたりしたんでしょうね。