自分が使った花材事典:オーガスタ

2019年5月21日

迫力のある花材です。普通なら、展覧会級の花材ですが、画像のオーガスタは、なんと稽古場に普通に入ってきたものです。

大きさは、60cm×50cmくらい。肉厚で、花の苞が大きくて、重いの何の。鉄の投入れに放り込んだら、頭が重いために、鉄ごとひっくりかえってしまいました。普通は、このクラスの花材が気軽に稽古に出てくることなどありません。

こういうものは、展覧会のときなどに、注文品で入れるようなものなのです。注文で入れた日には、請求書の金額におびえなければならんような品物です。
ところが、画像のオーガスタは、なんとお値段1,200円。オドロキの激安価格。店の調達能力に敬服します。

迫力の花材は、茎の面構えが違う。

この画像で分かるかな……。まるで、黒光りするような花の苞の重量感。

オーガスタは、ストレチアの仲間です。ストレチアの大親分みたいな感じですね。
なので、ストレチアと同じ方法で、花の苞から花弁を引き出すことができます。

↑苞を指でこじあけて……

↓白い花弁を引っ張り出します。

でも、オーガスタは、ストレリチアと比べると、花弁が苞より小さいですし、色も派手ではありませんし、花弁をある程度出しても、あまり印象が変わりません。
それよりも、苞の迫力の方が重要な要素になると思います。

このオーガスタは、大きすぎて重過ぎるので、生けるのに器や相手の植物を選びます。あんまり、ホワッと気軽に生けるタイプの花ではないです。
しかし、すごくハードに生けたりするのがうまくいくと、実に力のある花になります。

オーガスタは、フレッシュなものだけでなく、ドライも出回っています。
ドライでも、展覧会などの大作に使われることが多いです。
生のものを、一般の家庭でドライにするのは、できないことは無いですが、失敗のリスクも大きいです。

あれだけ肉厚のものを乾かすと、カビることが多いんですよね。また、カビなくても、あまり仕上がりの色が良くないことがあります。
実は、画像のオーガスタは、現在道具部屋でドライ化を試みています。カビるのがイヤなので、毎日様子をチェックしています。
もしも、カビてしまった場合、少しだけなら、カビを丁寧に取り除いて、なんとか捨てずに済ませたいです。カビた後の色が、明らかにおかしくなっていても、作品にするときに、その部分が見えないような使い方をすれば済むこともあるので、すぐには捨てないと思います。
また、全面的におかしな色になってしまったら、ダメモトで着色してみるつもりです。既製品では、赤とか、ゴールドに着色したオーガスタドライが売っていますから、それの自家製を試そうと思います。

きれいに乾きあがったとしても、自作のオーガスタドライは、既製品よりも黒っぽくなってしまうことがほとんどです。形も、既製品のドライの方が良いです。
しかし、買ったら高いオーガスタドライを、せっかくゲットできる機会なので、作ってみない手はありません。

追記:この記事のオーガスタをドライにしたものを、本サイトで公開しています→自家製ドライオーガスタ