自分が使った花材事典:茶ノ木

お茶です。

お茶っ葉になる、あのお茶です。1本200円でした。
これはお茶の枝です、というと、たいていの人は驚いて、でも興味深そうに「えー! 飲むお茶ですか?」「お茶なんか生けるんですか?」と言いますが、茶ノ木は切り花としては珍しくもありません。seiさんがまた変わったもの生けてるよ、と言われるのは心外であります。

このお茶の枝は、ちゃんと花が付いているんですが、上の画像だとほぼ分かりません。つぼみはびっしりついているので、これが満開になるとさすがに一目でわかるのですが、3輪くらい咲いた状態で撮っているので、花が葉っぱに紛れています。

花が一番見える角度で撮ったのが上の画像です。が、はっきり見えるのは一輪だけですね。しべが黄色でなかったら、その一輪も見えないでしょう。
あとの二輪は、下を向いて咲いているので、黄色いしべが見えません。お茶って、なんでかうつむいて咲くことが多いです。それも良い風情だと思いますけど。

花に寄ってみます。

かわいいんですよね、お茶の花って。

膨らんできたまん丸なつぼみも可愛いです。
お茶は、椿の仲間なのですが、椿よりももっと素朴で、幼いような可愛げがあると思います。

お茶です、というと、ほとんどの人が葉っぱの匂いをかぎます。生の葉っぱからは、日本茶の香りも紅茶の香りもしませんし、そんなことは分かっているんだと思いますが、それでも香りチェックしたくなる気持ちはよく分かります。

でも、香りもしないこの固い葉っぱを(新芽はやわらかいんだろうけど)、なにゆえ飲料にしようとするやつが現れたのか、そっちの方が不思議です。それか、人類は、たいていの植物は一回飲もうとしてるのかしら? 一回チャレンジしてあきらめた植物が膨大にあって、ほんの一握りの植物が、飲料として生き残ったのでしょうか。