自分が使った花材事典:カラジウム

切り花入荷したカラジウムを使うのは、初めてでした。

サトイモ系の葉っぱです。

カラジウムは、観葉植物としてよく見かけます。ですが、切り花ではあまり出回りません。理由は、水揚げがあまりよくないからだと思います。「あまりよくない」というか、「全然良くない」と言うべきでしょう。

なので、画像のカラジウムを入手したときも、私は「どうせ持たないんだろう」と思っていました。それでも、葉物としては大好きなので、少しでも長持ちさせようと、入魂の水揚げをしました。そしたら、10日ほども持ちこたえてくれました。

私がカラジウムを好きな理由は、この葉面の美しさです。

私は元来斑入りの葉ものが好きなのですが、「好きな斑入り葉ランキング」を作るなら、「1位 斑入りクワズイモ」「2位 カラジウム」です。二番目に大好きな葉物なので、本当は頻繁に使いたいのですが、量も出回らないし、水揚げ悪いしで、めったに生けることはありません。

これまで私が生けたカラジウムは、すべて鉢から切ったものでした。私は切った茎を秒で水にinするので、一日で枯れてしまったことはありません。しかし、「稽古場から持ち帰ったら、もう手遅れになっていた」という経験のある人もいるくらい、本来切り花としては扱いに要注意な花材なのです。

その切り花カラジウムが、10日も持ったのは、手のひらサイズの極小葉だったことが大きいと思います。20cmや30cmのカラジウムは、なんぼ私が水揚げに魂を注ぎ込んでも、10日生き延びるのはあり得ないです。

「持たないけど美しい」カラジウムは、そのおかげで偉い先生の写真花なんかでよく見かけます。そのせいで、子供のころは、私にとっては憧れ花材でした。

カラジウムの水揚げが悪いのは、やはりあの薄さに原因があるのかなあと思います。同じサトイモ系の葉っぱでも、もっと厚いものはたくさんあります。
切り花品種として、厚い葉のカラジウムを誰か作出しないかしら、とか思います。でも、そしたら、あの繊細な表情はうしなわれてしまうのでしょうか。