自分が使った花材事典:刈茅
自分で刈茅を買ったのも、いけばなの稽古に使ったのも初めてです。
刈茅はですね……自分で生けるもじゃない、という感じですかね。いけばな書の作例の中で、偉い先生が生けているのを見れば、それで十分な感じとでもいいましょうか。
普通、このような感想を持つのは、高級花材とか、かなりの特殊花材に対してです。しかし、刈茅は、その真反対です。茅の類は、その気になったらその辺から採ってこられます。その辺にありすぎて、「生けなくてもいいかなあ」なんです。
その刈茅をなんで買ったのかと言えば、完全なる気まぐれですね。なんとな~く、買ってしまいました。
別に、生ける価値が無い植物ではないんですよ。ただでいつでも生けられると思うがゆえに、今まで生けなかったというだけなので。
風情も、季節感もある花材なので、実際に生けたらすてきに気持ちの良い葉物でした。
イネ科なので、持ちはそれほど良くはありません。しかし、ススキなどよりは、よほどよく持ちます。
刈茅にはオガルカヤとメガルカヤがあり、いけばな花材にされるのは基本的にメガルカヤである……というのは、いけばなを長く習っている人間として知っていました。この情報を、私は「刈茅には雄株と雌株があり、いけばなに使うのは主に雌株である」という風に理解していました。しかし、この記事を書くために、ネットの植物図鑑的なサイトでチェックしたところ、メガルカヤとオガルカヤは、別の植物だということを知りました。これは、私にとっては、結構な衝撃の事実でした。メガルカヤとオガルカヤは、なんと属からして違うのです。
これって、いけばなの先生たちみんなが知っていることなのかしら。私だけが知らないのかしら。私だけだったとしたら、こんなところに書いて恥をさらしている場合じゃないのかしら……とか思いながら記事をアップしております。
つまりこの記事の刈茅はメガルカヤなわけですが、なるほど「メ=雌」の字がつく理由が生けるとわかります。とてもやさしい形を描く葉の線が気持ち良いのです。
全部で7~8本あったと思うのですが、季節的に、ほとんどが「葉」でした。
2本ほど、穂になりかかっているものがありました。
↑まだ完全な穂にはなっていません。もう少しすると、穂が出た刈茅のシーズンがやってきます。
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