シャープナーX
これはですね、「研ぎ器」なのです。花鋏を研ぐために買いました。
私の記憶によれば、草月会館の売店で買ったのですが、草月の仲間の誰に聞いても、
「そんなの知らない」
「会館で売ってた？ ……売ってたら覚えてると思うけどなあ」
などと言われ、現在、自分の記憶を疑っているところです。でも、草月会館でなければ、これを買うはずが無いんですよ。
シャープナーXには、下のような説明書がついています。
花鋏を研ぐのに良い、とは書いていません（園芸用具、とは書いてありますが）。これを、華鋏用に私が買うとすれば、「草月会館で売っているのだから、当然花鋏を研ぐのに良いもののはずだ」と思った、という理由しか考えられません。
これは、ずいぶん昔に買ったものなのです。だから、草月の仲間たちはさすがに忘れているのでしょう。だって、私が10代か、20歳そこそこのころだったのですから。
そのころの私は、安価な入門用の花鋏を持っていて、なんとか自分でメンテナンスできないものかな、と思っていました。わざわざ研ぎに出すほどの鋏ではないと思っていたからです。
研ぎ器自体も安価で、簡単に使えるものが無いかと探していました。ホームセンターなども見たのですが、包丁研ぎはいくらでも売っているのに、鋏、特に花鋏に良さそうだと思える研ぎ器には巡り合えませんでした。
そう思っていたところに、草月会館でこれが売っていたので、さらっと買ってしまったのだと思います。
使い方は、上の説明書にある通りで、研ぎ器の先端の四角い部分で刃をこするだけで、すごく簡単です。
↑この、こする部分が、なんか鋭い角で、切れそうで怖いです。
こすっても、これと言って手ごたえが無く、
「……これでいいの？」
と言う感じです。包丁研ぎの中には、こするとすごい音がするやつがありますが、シャープナーXはそんなことはありません。なんの音も、抵抗もなく、数回こするだけです。
で、研ぎ器としてはどうなのか、刃物の切れ味は戻るのか、ということになりますと、
「……はい」
という感じです。
いやあの、これ、全く正直な感想です。劇的な復活はしないです。マシになったな、くらいです。
そして、現在の私は、シャープナーXで自分の花鋏のメンテナンスはしていません。ある時から、高級鋏に乗り換えてしまったので、メンテナンスは業者に出すようにしてしまいました。
なので、今現在のシャープナーXの使い方は、稽古場の備え付け花鋏（安いやつ）に、ごくたまに使ってみる程度です。文房具の鋏の切れ味が悪くなったら、そっちにも試してみようと思っていますが、なかなかその機会がおとずれません。
まとめますと、
全然活用できてはいない、でも、捨てるほどではないので取ってはある、コストをかけて研ぎなおすほどのものでない刃物にたまに使い、「小満足」くらいの使い心地で使っている、
という感じでございます。