虫ピン(100均)
虫ピンは、花の創作の場では、よく使われる道具です。
ある程度本格的にいけばななりアレンジなりやっている方なら、道具箱に虫ピンが入っていることが多いです。また、展覧会作品の製作には、必須の道具として持っていく人も多いでしょう。
100均の虫ピンです
記事タイトルのとおり、この虫ピンは、100均で買ったものです。
待ち針などと並んで売っていたので、もしかしたら「虫ピン」ではなくて、裁縫関係に使われるピンなのかもしれません。しかし、実質的に虫ピンと同じように使えるなら、本来の商品カテゴリがどうであれ、私にはオールOKです。
虫ピンの使い方(花業界では)
花の創作で、虫ピンを何に使うかと言うと、ほとんどが「どこかを、こそっと留めるため」です。
ビスを打つほどの花材じゃないけど、枝をどこかに引っ掛けたりするだけでは、どうしても留まらない、立たない、ということがあるものです。そういうときに、目立たずに留める道具として、虫ピンは頼りになります。
虫ピンは、それ自体が細くてやわです。なので、固い枝を留めるようなことはできません。虫ピンを使える素材は、物理的に虫ピンを打ち込み得ることが大前提です。なんでもかんでも留められるわけではありません。(花展のときなどに、この当たり前のことを忘れて呆然とする人もいます!)
実例:ガーベラを虫ピンで留めて立たせる
ごく簡単な使用例の画像を貼ってみます。
たとえば、花器にガーベラを三本直立させたいけど、花器の口の大きさの関係で、直立せずにばらけてしまう、ということがあるとします。
↑このように、ガーベラの茎がばらけているのが嫌な場合、「この辺にピンを打ったら留まるかな」というところの当たりをつけます。
↑上の画像の、手で持っているあたりを固定すれば大丈夫そうかな、と思ったら、そこに虫ピンを打ち込みます。
すると、下のようにそろって立ってくれます。
でも、ちょっと横から見たら、下のようにピンが丸見えです。
ピンが長すぎるから飛び出してしまう……ならば、短く切ってしまえば大丈夫です。
ペンチで簡単に切れます。
大して力も要らずに切れてしまうところが、扱いやすくて良いです。
ピンが外に出ない長さにしてしまえば、横に回っても見えません。このくらい分からないようにしてしまうと、素人さんなら、留めを使っていることさえ気づかない人が多いです。
さすがに、真後ろに回ると、ピンの小さな頭があるのが分かります(下の画像)。
もっとも活用されるのは、花展会場かもしれない
上にも書いたように、虫ピンは、花展生けこみの道具として、必ず持っていく習慣のある人が多いです。
それは、「花展作品は、虫ピンを多用している」ということではなく、もしもの保険のために、念のため虫ピンは持っておく、という人が多いからです。どうしても花が留まらないようなことが起こったときに、虫ピンさえあれば、すべてが解決するかもしれないのですから。
私自身、毎回のように保険目的で虫ピンを持って行きます。しかし、実際に必要だったためしは、かつて一度もありません。
そう考えると、本当は要らないんじゃないかと思ったりもするのですが、一度虫ピンを持っていってしまうと、持って行かないのは怖くなります。
また、人によっては転ばぬ先の杖として、「崩れないはずだ」と思っている作品にも、一箇所や二箇所虫ピンを打つことがあります。
決して、つくりをいい加減にして、それを虫ピンの力で補おうということではなく、
「倒れない、崩れないと分かっているが、その自信を120パーセントにするためにピンを打つ」
という考え方です。心配性の人や、一度でも作品が崩れたことのある人が、こうなる傾向があります。
私は、「虫ピンを打ってしまうと、後々形を直しにくくなって困る」と思うので(←不器用な人の考え方)、「崩れない」と思えるなら、そこに虫ピンを打ったりしません。
しかし、虫ピンを打たないと、いけこみの日の夜は眠れないというタイプの人は、打ったほうが良いと思います。
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