作品写真ファイル(いけばな屋さんの営業グッズ)

2020年5月31日

いけばなを習っている人で、自分の作品写真をストックしている人は多いです。
それは、自分用の記録をしっかり残して成長の跡を確かめたいという場合もあれば、「なんとなく」のこともあれば、「ちゃんと習っていることをお姑様にアピールしたい」みたいに、特定の目的を持っていることもあります。
また、自分の作品というよりもむしろ、きれいな花の顔を写真に撮りたいという場合もあります。

この記事は、自分の作品写真のファイルについて書こうと思いますが、まずは、管理人自身は、自分の作品写真を撮るのかどうかというところから話しを始めたいと思います。

私は、日々の稽古花は写真に残しません

私は、稽古として生けた「習作」は、基本的には写真に残そうとは思いません。
毎回の稽古で、とても丁寧に写真を撮って、きれいにアルバムに整理している方もいるのを私は知っています。そういう方に「撮らない方が良い」と言いたいとは別に思いません。私は撮らないことにしている、というだけのことです。そんなものは、好きずきで良いと思います。

私も、以前は撮ったこともあるんです。私は高校生の三年間を、一眼レフカメラと共に過ごした人なので、うちのリビングで、三脚すえて撮っていた時代もあるんです。

撮らなくなった理由は、「習作」の写真というやつは、ほぼ使い道が無いからです。使い道が無いものが溜まっても仕方ないので、あるときから撮らなくなりました。

私は、習作であろうとも、それは自分の創作のデータなので、蓄積しておくことに意味があると、最初は思っていました。スポーツ選手が、自分のプレーをVTRで見ると何か得るものがあるように、いけばなのデータだって、作者に何かをもたらすだろうと思っていました。しかし、私が得られたものは、少なかったんです。
ほかの人はどうだか分かりませんが、私はあるときに、「撮影とデータ保存の手間が、得られる収穫に見合わない」と断定しました。腕の向上にも、収入にも繋がらないなら、私が習作を撮影する理由はありませんので、自然に撮らなくなってしまいました。

そんな私でも、たまに花をケータイで撮っていることがありますが、それは「こういう花、入荷して欲しい」という仕入れ交渉用のメモなのです。これなら、立派に意味のあるデータなので、「撮る理由有り」ということになります。

「作品」の写真は、何らかの形で必ず残します

習作の写真は、クールにドライに「いらない」と言う私も、展覧会や、規模の大きい納品の場合は、何らかの形で写真を残したいと思っています(納品の場合は、画像残せる状況じゃないときには諦めます)。

いけばなの大規模な展覧会は、プロによる作品写真が申し込めることが多いです。私は、撮影を申し込むシステムが用意されているときには、基本的にはそれを利用します(例:草月流展には、毎年同じ撮影業者が入っています)。
しかし、そういう場合は「主催者側がまとめて発注」なので、あまりこまやかな撮影にはならないこともあります(ライティングが均一だとか、一枚しか撮ってくれないとか、目線指定できないとかetc)。そういうのが嫌な人は、自分でカメラマンを用意します。もちろん、カメラマンを発注した方が、お金は多くかかりますが、それでも良いと思った人が頼むわけです。

私も、草月展で、何度かカメラマンを頼みました。出来上がってくる写真を見て、幸い私は今まで毎回満足しています。高いお金を払っているので当然ですが、「一律発注」の写真よりも、明確に写真の格が高いです。正直、このレベルでないと、「プレゼン用写真」にするのは厳しいです。

自分がカメラマニアのいけばな家さんだったりすると、自慢の機材で撮った写真をプレゼンで使いたい気持ちは分かりますが、それでは「プロの撮った写真を提出してきたライバル」には勝てないことが多いのです。私は、そんなリスクは背負いたくありませんので、わが家には一眼が三台ありますけど、作品写真はプロに頼むのを習慣としています。(プレゼンのことなど考えず、楽しみで撮るならオールOKだと思います)

いけばな展は、上記のように、作品写真を残す術がありますが、納品となると、「ワタシのプレゼン用に写真を撮る機会をくれ」などと言っていられない場合があります。なので、後で写真をもらえそうな場合は(たとえば、結婚式とか)あらかじめ「写真をもらえると嬉しい」とこそっと言っておきます。マメなお客さんや、満足してくれたお客さんは、結構「どれがいいかしら」と吟味して写真をくれます。この場合は、素人写真であってもありがたく頂戴します。

また、店舗内のいけこみを引き受けたような場合は、時間と荷物に余裕があるなら、作成後に自分のケータイで写真を撮ります。できれば、一眼を持って行きたいところですが、かつてそこまでの余裕がある生けこみはしたためしがありません。
ケータイ画像なので、大した写真ではありませんが、店舗の生けこみは、「商業空間で、ギャラ有り受注」だと分かるだけでも意味があるので、撮れるときには撮るようにしています。

お待たせしました、やっと写真ファイルの登場です

前置きが長くなりましたが、やっと写真ファイルに登場してもらいます。私が本気の営業用に使っているファイルは、下の二冊になります。

水色のファイルの方が少し大きくて、キャビネ版です。

すごく普通に文房具屋さんの売っているやつです。ケース入りだと、ファイルが反ったりしなくていいと思います。

このファイルの中身は、主にいけばな作品です。草月関係の展覧会で、「三友」という業者さんが撮ったものが一番多いです。

いけばな作品は、正直あまり私の営業に直接役立ったことがありませんが……でもまあ、「こういう活動もしている人なんだな」と分かってもらうことくらいはできます。

たまに、L版の写真も入っています。これは、どちらも自分で撮った写真です。

↑左の画像は、自治体主催の敬老会に生けたときのものです。右は、普通に家で生けた小品です。
営業先によって、どの写真を見せるのが良いかを、あらかじめ考えて行くんですけど、私の場合は、結局おしゃべりしながら全ページ見せちゃうことが多いです。(私が見せたがらなくても、相手が「見せてないページ」を見たがることが多いです。見せてもらえないページって、何か気になるみたいですよ)

もう一冊の、小さい方のファイルは、L版しか入りません。こっちの方がいい加減な写真が多いのですが、営業成績としては、こっちのファイルの方が優秀です。実際の納品写真が多いので。
納品写真のほとんどは、クライアントの店内の画像なので、掲載許可も取らずに出せるような写真は無いんですが……でも店内の様子にモザイクかけてみましょうか。だったら許されるだろ。よし!

というわけで、下に一枚貼ってみましょう。(紙からスキャンしたので、画像が悪いです)

↑これ、多分クリスマス時期ですね。

もう一枚くらい出しましょうか。

つつじの大枝を生けています。うーん、なんて怪しい画像なんだ。

でもまあ、こういう写真が、私の経験を示す役に立ってきたわけです。

今日び、画像はデータで持っていたいところだが……

この記事は、紙の写真のファイルのことを書いてきましたが、印刷される作品写真とか、Webに載せる作品写真となると、当然データで先方に渡したいところです。
作品にカメラマンを発注するなら、データをくれるのか、データを使う場合には(C)をどうするのかを、あらかじめ確認しましょう。

現在のところ、草月展の指定写真業者や、草月展出入りのカメラマンさんは、特に「欲しい」と言わない限りは、紙の写真しかくれません。紙からスキャンすることももちろんできますが、やはり余計な作業を挟んでコピーすると、画質は必ず劣化します。印刷の場合には、特に画像の質がものを言いますので、画像データを貰っておくのが一番良い結果になります。

データを持っているかいないかで、印刷物(Webも)への掲載が見送られることもあると知っておきましょう。すばらしい作品だったとしても、その理由で掲載されず、データがきれいという理由で、もっと下手なやつの作品があなたの掲載場所を奪っていくかもしれません。

いけばなの世界の人なら、「画像の質が良い駄作」よりも、「荒い画質のすばらしき作品」を評価します。しかし、世の編集者さんはそうではありません。素人のサイトにもきれいな画像が並んでいる今日、ガサガサの画質の写真なんて、プロなら掲載しなくて当然です。
印刷物や、Webへの掲載が、後の仕事に繋がっていくこともありますので、写真は良いカメラマンで、十分な大きさのデータで保存するのが、本当は一番望ましいです。

ファイルに入れてない写真もあります

私は、キャビ版よりも大きい写真は、今のところファイルに入れていません。そんなに数がないので、ファイル買うほどじゃないなという感じです。
そのうち数が溜まってファイルを買ったら、この記事に追加で掲載しようと思います。

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Posted by sei