石油ポンプ

2020年5月3日

おなじみの石油ポンプです。100円ショップで買いました。

私は、これをいけばなの比較的大きい作品を作るときに使用します。用途は、器の水抜きです。つまり、「あげばな用品」です。

石油ポンプで水抜きするのは、いけばなの展覧会経験者にとっては常識に近いです。しかし、一般の方に「石油ポンプで水抜きする」と言うと、
「はあ???」
みたいな顔をされます。

私もさすがに、家の中でいけるときには、滅多に石油ポンプは使いません。しかし、たっぷり水の入った水盤を持って家の中を歩きたくないときには、使うこともあります。

石油ポンプで水抜きが必要なのは、大体以下のようなケースです。

  • 大型の花器で、重すぎて水が入ったまま持ち上げられないとき(水を捨てに行けない)
  • 水の量が多く、水をこぼすハメになる可能性大なとき

普通は、一番手っ取り早い水捨て方法は、「手で水の入った器を水屋まで持って行き、ザバッとあけておしまい」なのですが、大型作品では、そうも行かないことが多いのです。

石油タンクでしか石油ポンプを使ったことの無い人には、これまた意外らしいのですが、いけばな家は、水深が数センチ程度の水盤の水抜きもポンプで行います。

そんな器に、ポンプは使いにくいだろうとお思いでしょう?
Yes! 私たちも、「やりにくいんだよねえ」と思いながら使っています。特に、床に直接器を置くタイプの作品だと、ポンプでバケツに水を移していくと、すぐにバケツの側の水位の方が高くなってポンプをシュコシュコやるのを休めないんですよね。あれが、実にめんどくさい。(台の上に器を置くタイプだと、シュコシュコは最初だけでいいですけど)

そういうめんどくさがりの人のために、世の中には電動式の石油ポンプも売っています。しかし1000円弱くらいのお値段なものですから、私はどうも買う気になれません。そのうち、ものすごく急いであげばなをする機会でもあれば、電動ポンプを買うこともあるかもしれませんが、詰まりやすい仕事に使うので、基本的には100円以下で十分だと思っています。

 今、「石油ポンプで詰まったことなんか無いわ」と思ったでしょ?
いけばな作品の水は、一見きれいなようでも水中に余計なごみが漂っていることが多いので、ポンプの弁のところが詰まることがあります。てゆーか、かなりよく詰まります。

私たち、いけばな家は、長年水盤のそばでポンプをシュコシュコやってきましたが、もしももっと便利な道具があるなら、喜んで乗り換えると思います。(いけばな道具屋に、水抜き専用ポンプも売っているのですが、詰まりやすさは一緒です)

花道具・素材

Posted by sei