自家製ドライアジサイ

2020年5月13日

自宅で作ったドライアジサイです

自分が使った花材事典に画像をアップしたアジサイを、乾かしてドライ花材にしたものです。
乾いても、フレッシュのときとほとんど見た目が変わりません。つまり、ドライに仕立てるのが非常に簡単にうまくいくタイプの花なのです。

アジサイは、品種によって、このように「ドライにぴったりなやつ」があります。画像のアジサイの品種はアナベルといい、もっともドライにしやすい品種の一つです。

アナベルの既製品ドライもあるけれど……

ドライフラワー専門店や、花資材屋には、既製品のドライアナベルも売っています。しかし、私は、よほどの理由が無ければ、アナベルのドライをお金を出して買おうとは思いません。稽古で使った後の花を、乾かして取っておくだけで十分です。
もちろん、花展で大量に必要になったり、アナベル・リースの急なオーダーなどあれば既製品を仕入れるでしょうが、そうでなければ、たまに自家製のものを扱うだけでまったく満足です。

お金を出して買っても、クオリティは自家製とあまり変わりません。また、既製品は、花の部分のみであることが多く、軸付きのものは少ないです。たまに軸付きを見つけると、一本700円くらいもするので、「それだったら、稽古の後に軸付きを自分で乾かそう」ということになってしまいます。
それに、既製品の中には、「いっそ自家製のほうがきれいだ」と思えるものもありますから……。

ドライ・アナベルの作り方

「作り方」などと書いてしまいましたが、実は作り方も何も無いに等しいです。私は、タダその辺にほうっておくだけです。水の入っていない花瓶に挿しっぱなしにするだけでもできます。
アナベルは、草花ドライでよくある「乾いていく途中で花首がお辞儀をしてしまうので、逆さにして乾かさないといけない」ということがありません。上向きで飾ったまま、いつの間にかドライになっています。
ドライになるのに必要な時間は、2~3日程度ですので、あっという間です。

↓ 乾きあがるとこんな感じです。

ここまで乾くと、触るとチャラチャラ音がします。

私は、軸が付いているときにはそのまま軸付きで乾かしますが、ドライにした後に、軸を使わないことが分かっている場合には、最初から花だけにして乾かすこともあります。
また、花の稽古で花房をいくつかに切り分けてしまったときも、かまわず「小分け」のまま乾かします。リースに仕立てる場合などは、最終的に小さな塊に切り分けることになるので、必ずしも一番上の画像のような「完全体」である必要はありません。

花のコンディションによっては、乾ききった後に、花がぱらぱら散ることがあります。私はそうやって落ちたものも拾っておいて、リースに貼り付けたり、ポプリに2~3輪入れたりして活用することが多いです。

ドライ・アナベルの保存は簡単

私は、ドライ・アナベルの保存で困ったことは今までありません。カビたり、いやな匂いがしてきたりということの無い花材です。
保管する場所は、風通しの良い、乾燥気味のところが一番良いのでしょうが、私はあまりそういうことも考えずに、その辺の花瓶に挿したりして保管しています。

ドライ・アナベルの強みは、「軽く、簡単にボリュームが出せる」こと

乾いてしまったアナベルは、非常に軽くなります。しかし、その割りに、花の房全体の大きさは、フレッシュのときとほとんど変わりません。なので、一つでもドライにしておくと、
「何かボリュームを出せる素材は無いか」
という状況が訪れたときに、強い味方になってくれることがあります。

「大型の花作品の上のほうに、水もしっかりした支えも要らずに乗っかってくれるようなボリューム物体が欲しい」とか、
「とにもかくにもボリューム感のあるものを真ん中へんに入れ込んで厚みを出したい」とか、
「一つでばちっとポイントになる植物球形物体は無いかしら」とか、
さまざまなわがままオーダーに応えてくれる素材です。

また、いけばなにも使え、リースやドライアレンジにも使え、プリザと混在させても大丈夫という、守備範囲の広い素材でもあります。

アナベルを使う機会があったら、ぜひともドライ化をお試しください。