自分が使った花材事典:ベアグラス
いけばな人にはおなじみの花材ですが、一般の認知は低いようです。
床に寝かせた画像で申し訳ないのですが、デカすぎて立たせるとどうにもならなかったので……。新聞紙との対比で、およその長さがわかっていただけるでしょうか。
これは、展覧会準備用に発注したベアグラスなので、特に大きい等級のものです。普通のお稽古花に入ってくるようなのは、この三分の二くらいか、短いものだと半分くらいです。
ベアグラスは、ススキの仲間です。よって、ススキのように、手を切る危険性があります(この点が、一般の消費者にあまりおなじみにならない最大の要因でしょう)。ススキよりは大分葉の幅が狭いのですが、切れ味はあまり変わりません。扱うときにはご注意を。
輸送するときには、葉先まですっぽり包むくらいでないと危ないです。
ススキやベアで手を切るときって、大概包装を外すときか、かかっている紐や輪ゴムを外すときです。私なども、十分に理解しているくせに、未だに切ることがあります。
画像のベアは、とにかく良い品物だったので、全体の美しさ、力強さが、「お稽古用ベア」の比ではありませんでした。
線を見ているだけで、ただただ美しかったです。線の生きが良いというか、「ハリ」が違いますよね……。
前述したように、いけばな人はベアが大好きです。緑の直線が引けるし、曲線でも遊べるし、量感も出せます。長いものを入手すれば、高さもかせげます。
線によじれやゆがみが少なく、「スラッ」とした印象を演出するのにも最適です。
……やっぱり、立てて「スラッと加減」を見てもらったほうがいいかな。
でも、そうするとフレームに入らないんだけど……まあ無理やり入れてみましょう。
無理やり入れたら、背景が妙に生活感あふれちゃってごめんなさい。(とにかく引かないと入らなかったもので……)
これを、大きくバサッと広げても迫力が出せるし、繊細な線を引くこともできます。
この品物は、せっかく展覧会準備のために注文したというのに、実際の展覧会には使いませんでした(リハーサル段階で却下してしまいました)。しかし、あまりにも品がよかったので、ただ日々のお稽古などで消費してしまうだけでは勿体無いと思い、枯れ物にすることにしました。
ドライベアって、簡単に作れるんです。
ドライのベアグラスは、本サイトのストック花材のコーナーにアップする予定です。
《追記》
ストック花材のコーナーに、ドライ・ベアグラスをアップしました。
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