自分が使った花材事典:スローウィ

2019年2月22日

タイトルには、「スローウィ」って書きましたけど、本当は「スローウィ」だそうです。

最近、あるお稽古場で、花屋さんが伝票に「スローウィ」と書いてきたので、「ウが1個多いぞ」と言ったら、「こっちが正式だ」ということでして……。私、20年以上も、「スローウィ」で通してきてしまった。。。
現代いけばな花材事典でスペルを確認したところ、suworowiiなので、やはり「スウローウィー」なのだと思います。
しかし、私が今日まで「スローウィ」と呼んで通用していたということは、「花屋さん通称」としては、スローウィもアリなのだと思います。その証拠に、「スローウィ」で検索すると、ちゃんとヒットしてきます。私の推理によれば、これは「市場呼びなのではないか?」と思います。市場って、わりと言い難い名称を、言い易く変えて「場内常識」を作りますから。

で、この記事では、私が慣れ親しんだ「スローウィ」で統一してしまおうと思います。

私は、スローウィのちょっと不思議な感じの曲線美が好きです。

なんかこう、蛇っぽいというかね。くねくねした感じがいいです。それに、枝にびっしり花がつくタイプのもので、こういう曲線ものってあまり無いと思いません?

↓色もきれいなんですよね。

スローウィというやつは、実はスターチスの仲間です。スターチスと言えば、例の、「ドライフラワーになる、チャラチャラ感のある花」です。
スローウィは、そんなにシャラシャラした花ではないので、言われなければ、これがスターチスだとは気付けないと思います。

花に寄ってみましょう。

かわいい花でしょ?
花の形もあまりスターチスっぽくはありませんけど、茎に注目すると、「なるほど」と思う人は多いと思います。

一般的なスターチスと同じくらい、おなじみの花になってくれると嬉しいんですけど、店頭で見かけることは少ないですね。

スターチスの仲間なら、スローウィもドライフラワーになるの?と思われる方もいると思います。
スローウィの花は、スターチスのように、「いかにもドライにしやすい」ようには見えません。むしろ、ドライになんかなりそうにないように見えます。
しかし、こいつが、意外にもドライになるのです。下の画像は、水から離して一ヶ月くらいたった状態で、すでに完全なドライフラワーです。

ドライになっても、枝の曲線の面白さが損なわれないところは、とても良いと思います。
しかし私は、滅多にスローウィをドライにはしません。理由は、「きれいというかなんというか微妙」みたいな仕上がりになるからです。

たとえばですね、こういうところはきれいに仕上がっている部分なんですよ。
↓ ↓ ↓

この色だったら、「きれい」と言って良いと思います。

しかし、これは「きれい」ではないと思うんです。
↓ ↓ ↓

枝の、先のところ意外は、茶色みたいになっています。

もっと微妙なのは、こういう部分でして……。
↓ ↓ ↓

枝の半分くらい(先の方)はきれいな色が残り、もう半分は茶色っぽくなってしまいました。

トータルできれいになるかどうかは、乾かしてみないと分からないような、ギャンブル・ドライなんです。(ギャンブル・ドライって何だ)
なので、私は基本的には、スローウィをドライにしようとは思いません。今回ドライにしてみたのは、うちのお弟子さんたちが「ドライにしたの見たい」とリクエストしてきたことと、「ドライの画像を、このブログに載せてみるのもいいかな」と思ったからです。

家で作るドライというものは、気に入らなかったら捨てればいいだけのことなので、スローウィを入手されたかたは、面白半分にドライにしてみてもいいかもしれませんよ。もしもきれいにできたら、大概の人には正体がわからない「不思議ドライ」になるので、人に「おもしろーい」などと言ってもらえます。