ヤシの繊維

2020年2月26日

管理人のストック花材:ヤシの繊維 です。東京堂で買いました。

ヤシの繊維とは、ヤシの木の幹の周りについていて、成長するにつれてべろべろはがれてくる皮の部分のことです。
↓この部分にあるものです。

「このあたり」の矢印が指しているあたりにあるモショモショしたもののことです。ちょっと大きい公園などには、ヤシ科の植物が植えられていることが多いので、見る気になれば意外に簡単に見られます。
また、庭に棕櫚が生えているおうちの方は、ぜひ近寄ってご覧になってみてください。
「ははあ、これをはがしてドライ花材にするのだな」
と分かると思います。

実物の繊維を見てもらうと分かるのですが、ヤシの繊維は、「樹皮を叩いて、繊維だけにしたもの」ではありません。ヤシの繊維と言うやつは、最初から繊維だけなんです。なので、施してある加工は、「ドライ加工」と「漂白」だけだと思います。

「漂白もの」の割りに茶色っぽいね、と思った方がいると思いますが、この素材は、買ったばかりの頃にはもっと真っ白でした。それが、経年変化で、うす茶色くなってきてしまいました。
つまり、買ってから結構な年数が経っています。どう考えても、10数年は経っているはずです。

しかし、10年以上も、物置で眠らせていたわけではありません。これは、ちゃんと作品に活用しています。草月展に使ったときの画像がこちらです→草月流いけばな展作品(この作品のころは、まだ相当白かったのです)

ちゃんとした展覧会に活用したのは一回だけですが、展覧会作品を考えるときには、私はよくこの素材を引っ張り出してきていじります。作品の構想の最終段階にまで残った回数は、二回や三回ではありません。
つまり、私はこの素材は好きなほうなのです。どうも、いじるとなんとでも形を変えることろが好きなようです。そして、繊細なくせに、その気になれば荒々しくもなりそうなところが好きです。たかが「皮」のくせに、動きが出せるところも好きです。

自分の指先のさじ加減でどうにでもなるところが、気楽でいいですね。