イイギリが発根してた

先日「自分が使った花材事典」にアップしたイイギリを、ずっと玄関に生けていました。その一部が黒くなってきたので、ダメになった枝を抜いていたら、木肌から何か生え始めているのを発見しました。


見えますか?
下の枝の、真ん中辺に、白いぽつぽつがあります。


これは、明らかに発根です。
イイギリが発根するとは思わなかったので、ものすごく驚きました。

いけばなを長くやっていると、「よく発根する枝」をいくつか知るようになるものです。発根する枝は、やなぎ類に特に多いので、初見の枝でも、「なんとか柳」という名前だと、「あ、これも発根するかも」などと予測できるようにもなってきます。

しかし、イイギリはまったく予想外でした。それは、私がイイギリと、あまり個人的なお付き合いをしたことが無かったからです。
花展の手伝いなどで、人様が生けているイイギリに触るような経験しかなく、家でじっくり「いけたイイギリをウォッチする」というのをしてこなかったもので、「発根派」のヒトだとは、夢にも思いませんでした。
しかも、イイギリは、比較的高級花材というか、特殊花材に分類されるので、そのような「トクベツなお方」が、ほいほいと増殖するような性質のものとは思っていなかった、ということもあります。

壷の中で発根するということは、このまま挿したら育つのだろうか、と思ってググってみたところ、イイギリを増やす方法として、「挿し木」が可能であるということが分かりました。

じゃあ、うちで挿してみよう、と思い、すでにベランダの鉢にさしてあります。とりあえず、3本挿して、ダメモトで水をやってみます。これから寒くなる季節での挿し木なので、あまり期待はしていません。運よく付いたらラッキーだと思うことにします。

そして、もしも付いてくれたとしても、数年育ててみるだけになるように思います。
切花で出回るような、立派な実をうちで付けられるとは思いませんし、どう考えても、イイギリが育ってくると場所をとります。
好奇心で、ちょっとだけ育ててみるつもりでいます。