花の資格で儲けようと思っている人へ

2020年2月9日

このたび、サイトの移転・改修案件が持ち上がったため、この二週間ほど、少し念入りに、本サイトの方のアクセス解析をチェックしていました。考えたら、しみじみとアクセス解析を見てみるのは久しぶりです。

本サイトに立ち寄ってくださったゲスト様たちのアクセスキーワードを見てみると、相変わらず、
「花の資格は、結構大きなお金になるんじゃないのか」
と思っているらしいキーワードが、ものすごくたくさん見受けられます。

これね、今までに何度でも書いてきましたけどね、花の趣味の資格というのは、そんなにお金にならないですよ。
今年で、いけばな歴40年の私が言うのですから、そこそこの信憑性のある言葉だと思ってください。

正直、現在の私は、花の技術がお金になっています。しかし、わずかなお金です。若き頃に、あのままOLを続けていたとしたら、生涯年収は現実の数倍だったろうな、と思います。OLしながら、花は趣味でしていたほうが、人生は楽しかったのかもしれません。
でも、OLさんの年収に逆立ちしても追いつかないような稼ぎのこの私でも、花の世界では、多分収入的には「運が良いほう」に分類されます。つまり、「普通の運」だったら、OLさんどころか、フリーターの年収の何分の一くらいになるのです。いや、最悪、マイナス計上になるんじゃないでしょうか。

もちろん、花のライセンスを元に、大もうけしている人はいます。それは、すご~~~く限られた一握りの人たちです。
「技術・センス・営業力・アイデア・人脈・金脈・運」が、一つ以上突出していないと無理です。要するに、ほかの仕事と一緒で、儲けようと思ったらタイヘンなのです。

なんで、こんなことを書く気になるのかというと、「花の資格を持ってたら儲かるんじゃないか」と思って来られる方たちのキーワードからは、非常に安易な思考の存在がうかがえるからです。

花の免状を取る→生徒を集める→月謝がワサワサ入る→儲かって儲かって笑っちゃう

みたいなことを考えているとしか思えないものが多いのです。趣味の延長でお金が儲かったらいいなあ、ということなのでしょうか。
趣味と仕事の境目は非常にシビアで、そのラインを超えると無責任に楽しんではいられなくなるんだけど、そういう想像もできないなら、多分、花では儲かりません。
むしろ、花の資格の世界でカモにされると思いますよ。免状・受講料・道具の購入・書籍の購入・材料の購入など、お金をどんどん使う道に誘導されていって、儲ける方法なんかいつまでたっても教えてもらえないです。
ミイラ取りがミイラになります!

花の製作販売や講師業より、コンビニでバイトしたほうが、普通の人はお金になります。普通じゃない人なら、もしかすると花で儲けられるかもしれません。「普通じゃない人」とは、上に書いたような、何らかの突出したものがあり、それを花の世界で開花させられる人です。

花を教えられるライセンスを持ってます、と数人の人に言ったら、瞬く間に口コミが広がって、生徒が10人や20人集まるだろう、と思っているような人は、とんだオメデタイヤツですよ。
都会だと、しかるべき集客ツールを使っても、10人集めるのは至難の業です。長く運営して、最初は少なかった生徒さんが気づいたら10人を超えていた、というようなものが普通で、
「看板あげたら、即20人」
というのは、おそらく業界有名人の先生であっても、簡単にはできないと思います。
そして、キツいのは、最初の「10人に満たない時代」です! ぜんっぜん儲からないです。もう一度言いましょう。ぜんっぜん儲かりませんよ!

花の、「教えられるライセンス」というのは、マジメに習っていたら、ほとんどの人が取れるものです。つまり、巷には、指導資格のある人が、思いのほか大量に存在しているのです。都会になればなるほど、その人数は大きくなります。
三大流派の指導者免状持ちなどは、おそらく町内に数人はいるくらいの数でしょう。ということは、持っていること自体に、ほとんど希少価値はありません。

希少価値がなく、いたずらにライバルだけは数多く、儲けのスタートダッシュが難しい。これが、花の資格で切り開いていく「仕事」の道です。多分、「簡単に仕事にできて、簡単に儲かる」と思っている人の望んでいる道とは、別物だと思います。

てゆーか、そんなことくらい分かるだろうと思うんです。
もしも、誰でも簡単に儲かるなら、あなたの周りにそういう人が数人はいるはずでしょ? そんな人、ほぼいないでしょ?
いないということは、そういうことなんですよ。

花の教室の主催者=儲けている人ではありません。なんなら、赤字経営の方が多いくらいかもしれません。
赤字でも「いいのよ趣味なんだから」と思ったら続けられるんです。花業界に、そんなにうまい儲け話はありません。

その他

Posted by sei