自分が使った花材事典:ハラン(アサヒハラン)
今まで、「自分が使った花材事典」に、ハランを一種類も出していないことに気づき、呆然としました。
こんな基本的な生け花花材、なんでアップしなかったんだ?
アサヒハランは、ハランの中の一種類
ハランには、真緑のもの、縞状に斑が入っているもの、星がチラチラ入っているもの、葉の先端だけに斑が入っているもの、などがあります。
アサヒハランというのは、先端だけに斑が入っているものです。
私は、緑一色のハランも嫌いではないですが、さわやかな印象になるのと、一枚の葉色の中に変化があって使いやすいという理由で、「縞」か「アサヒ」を使うことが多いです。
アサヒハランの魅力、斑の部分。
ハランは大人気花材
ハランは、生け花的には人気のある葉ものです。
濃いグリーンの、大ぶりの葉っぱに、すらっと足が長く(画像にあまり足を入れませんでしたが)、古典的にも、現代的にも使えます。
しかも、花展などで頼りになる丈夫さを持ち、安価で調達も容易。すごく、生け花人の味方です。
アサヒハランを加工してみる(4パターン)
ハランは、加工にも向いています。生け花書など見ると、ハランにさまざまに手を加えていけた写真が載っています。
いくつか紹介してみましょう。
まずは、「裂いて大きさ調整」。
ハランは、葉脈に沿って裂いていくことが容易にできます。
それを利用しまして、たとえば、同じ大きさの葉っぱを、「大小」にして変化をつけようと思ったら……
右の葉を、裂いて小さくしてしまいましょう。
はい。左:使用前、右:使用後。
加工ハランその2。「葉っぱを丸める」。
このくらいまっすぐなハランを……
手で丸めてクセ付けします。
ちょちょっと丸めたくらいだと、このくらいのカーブになります。
こんなカーブじゃもの足りない。もっともっと、クルクルのクリンクリンがいい!と言う方は、もっと細く、徹底的に丸めたらいいのです。
細い棒に、ハランを巻きつけます。(ここでは、ハランの茎に巻きました)
きつ~く巻いていき、これ以上は巻けないところまで巻き進みます。
その状態のまま、何かで固定して、しばらく置きます。
ここでは、剣山を重石にして固定していますが、テープで貼ってもいいし、とにかく「きっちり巻いた状態」がキープできればいいです。
この状態で、20分くらい置いたら、下の画像のようになりました。
もっと長時間置けば、もっとしっかりクセが付きます。
加工ハランその3。「ハランを裂く」。
葉の真ん中部分だけを裂きます。真ん中だけを裂いて、上下はつながったままにするので、要するに、一枚の葉っぱのまま、真ん中だけワラワラと裂けている、という状態になります。
真ん中だけ裂くとは、つまりこういうこと。
中央に、切れ目が入っている状態です。この切れ目は、葉脈に沿って手で簡単に裂けるので、ナイフなどは使う必要ありません。
で、もっともっと、何本も切れ目を入れていきます。
さらに、さらに切れ目を入れていきます。
この画像では、まだ葉っぱが自立していますが、このまま葉っぱをいつまでも裂いていくと、そのうちに葉っぱが直立できない状態になります。
要するに、こういうことになります。
元のハランには無かった動き・軽さ・繊細さ。
「面」から「線」への大転換です。
以上の3つの加工パターンは、どれもよくある扱い方で、私のオリジナルではありません。
その場の思いつきで、いくらでも多様な加工が出来ると思います。
ディスカッション
コメント一覧
細かく裂いた葉蘭が、繊細で、美しいです。線でもあり、立体感もあり、アートですね。
掲載下さり、本当にありがとうございました。 私も、挑戦したいです。
匿名ゲスト様
いらっしゃいませ。
簡単な加工ばかりですので、今すぐできます。
だからこそ、ハランはいけばな屋に愛されるのでしょうね。