自分が使った花材事典:ヤドリギ

ヤドリギを使う日が来るとは。

ヤドリギは、私の憧れ花材の一つです。私にとっては、「華道書や、花展作品で、エライ先生が生けてるやつ」です。これを自分が生けるとしたら、花展用などで、結構高いお金を払えばできることもあるかもなあ、という感じでした。

でも、このヤドリギは、900円だか1000円だかです。
たしかに、ヤドリギとしては、小ものです。もっと大玉で、葉も枝もびっしり詰まったのが、その辺の木の上にあったりします。
そして、何より残念なのが、実がついていないことです。あの、まん丸で、半透明みたいな実があるのが、私の脳内ヤドリギのデフォなので、「実無しか……」とも思いましたが、それでもお稽古でヤドリギ使えるなら文句をいう気にはなれません。

なんかこの、ペラペラヒラヒラした葉っぱが面白いです。

黄色いぷつぷつした部分は、実の落ちた後なのか?と思っていました。

これはどうやら、つぼみになるもののようです。全然開かなかったので、断言できないのですが、多分そうらしいです。

水揚げに関して言うと、たいして良くもない、という感じでした。葉っぱの色が汚くなるタイプの枯れ方で、見た目が完全にキレイだったのは、三日くらいでした。その後は、徐々にあちこちが黒ずんでいきました。

実は、密かに「きれいなドライにできるのかも」と思っていました。葉っぱが、硬いタイプだったことと、外国の雑誌などで、クリスマスの前からニューイヤーまで、ヤドリギを束ねて吊るして飾る(スワッグというやつですな)、というのを見ていたりしたもので、きれいに乾いてくれるのかと思っていたのです。

しかし、実物を触ったら、葉っぱは固いけれど、枝が不思議な柔らかさで、すごいぐにゃぐにゃしているのに気づいて「???」となりました。普通の樹木で、このやわらかさはまず無いです。結局、ヤドリギはだいぶ変わったやつなのだ、大地に根を生やした樹木とは別物なのだと思い知りました。

最終的に、枝は全部しわしわになって枯れました。水分量が多いのか、組織そのものがやわらかいのか、よくわかりませんが、印象深い枝ものでした。

もし、次にヤドリギを生けることがあるとしたら、ぜひ実付きのものを、クリスマス時期に使いたいです。