自分が使った花材事典:アブラチャン

これはなんて言う枝ですかーと言われて、
「アブラチャン」
と返事すると、「え? 何ちゃん?」と聞き返されます。
「アブラチャンだけど、ズサとも言う」
と答えると、
「ズ、ズ? どんな字ですか」
とか言われます。

そういえば、ホントにどんな字なんだろ、と思ってたった今検索しましたら、これがどうも良く分かりません。「萵苣(ちしゃ)」のなまったものかもしれないような記述を見つけましたが、ほんとかなあ?という感じです。要するに、植物図鑑的な正式名称ではなく、人々が各地方で勝手に呼んでいる通称名の一つなのではないかと思います。

この木は、そう珍しいものではなく、その辺の雑木林にもあるような木です。だから、アブラチャンだともズサだとも知らなくても、多分今までの人生で何度も見ているような樹木なのです。

花や、丸いつぼみがついている時期に出回ります。このつぼみは、結局開きませんでした。1か月くらい花瓶に温存しましたが、丸いコロコロのつぼみのままでした。(今回のアブラチャンが開かなかっただけで、切り花で咲かない枝ということではありません)

アブラチャンは、クロモジの仲間です。そういわれてみると、クロモジのつぼみの丸まっちい感じに通じるものがあります。
開いたところも、クロモジに似ています。ダンコウバイにも似ています。

アブラチャンの枝つきは、素直で扱いやすそうですが、素直すぎることもあります。

矯めることはできなくはないので、素直すぎる枝に振り回されるというほどでもないのですが、良い気になって曲げているとパキンといってしまうので、個人的にはなんとなく苦手意識があります。