自分が使った花材事典:ハシバミ

2023年11月29日

葉なしハシバミ

ハシバミとは、ヘーゼルナッツのことです。私は、「ハシバミ=ヘーゼルナッツ」だと知ったのは、2004年のことだったと思います。なぜはっきり何年かわかるのかというと、うちが初めてネット環境を手に入れたばかりのときに、面白がっていろいろ検索していた中でその情報を読んだ(wikiだったかもしれない)記憶があるからです。

今回、この花材は、家で2か月近くも飾ることができました。私はまさかハシバミの切り花がこんなに長生きしてくれるとは思わず、それだけでもうれしかったのですが、それを凌駕するうれしい発見がもう一つありました。
この花材、二か月のうちに変貌したんです。葉っぱが出ただけだろ?と思われるかもしれませんが、葉っぱと一緒に、もっと素敵なものも出てきたのです。

まず、買ってきたばかりのハシバミをもっとよく見てみましょう。
花材のかわいらしい特徴として、枝にこのようなものがついています。

これは、花穂になるものです。栗の花なんかもそうですが、花弁があるような花ではなくて、花粉をたっぷり出す房になるタイプの花です。
一本の枝から、二本の房が出てV字になっているのが面白いです。

上の画像は、花粉が出るだけの、雄花です。雌花はどこかというと、上の画像にも写っていますが、茶色い冬芽のところが雌花です。
上の画像では、雄花も雌花も、まだ開いていない状態です。雄花も、存在が分かりやすいだけで、開いてはいません。開いたらてれーんと垂れ下がる房になって花粉をふきます。
房が垂れ下がる画像は、一枚だけ撮ってあるんですが、終わりかけの花で、あまりきれいではありませんけど、参考までに貼っておきます。

上の画像では、雄花は垂れ下がり、雌花は顔を出し始めています。
この画像は、上に貼った2枚の画像を撮った日から、一か月以上のたった日、正確には38日後のものです。最初の一か月くらいは、あまり房が垂れ下がらない買ったばかりの状態に近く、ハシバミらしさで言うとその頃が一番「ハシバミの枝もの」らしい魅力がありました。

で、38日たったこの日あたりから、がぜんハシバミが枝ものとしての印象を変え始めました。
雌花が開いてきたからです。
雌花は、こんな姿をしています。

雌花、こんななんだ。知らなかった。知らなかったなあ!
緑の葉に包まれていて、赤いのはめしべの先なんだろうか? 赤いところで花粉を受け止めるように見えるので、たぶんこれがめしべの先なんじゃないかな……。

で、この雌花がかわいいんですよ。枝全体に結構びっしりついて、日がたつにつれて緑の葉が大きくなっていきました。

最終的に、赤と緑がチラチラする枝ものになりました。
家に来た時の画像と比べると、別人!

いわゆる「ハシバミの枝もの」として認知されている姿は、一番上の方の、V字型の房が出ている状態かと思います。しかし、雌花が開いてくるのも楽しかったです。

個人的に疑問になのは、雄花の房が全部終わった頃から雌花が咲き出したことで、これじゃ受粉しないじゃないのと思うのですが、もしかすると自家受粉を避けるためかもしれません。

葉付き(紅葉)ハシバミ

上の項のハシバミとは、別の機会に入手した紅葉ハシバミです。

花瓶に挿しといたら葉っぱが茶色くなってきちゃいました、ではなくて、「紅葉葉」の入荷でした。もちろん、花もついています。

全部小枝になっていますが、本当は大枝で入荷したのを、私が生ける都合で切ってしまいました。
紅葉なので、すぐに葉が乾いてしまいましたが、そうしたらダメになった葉っぱを取れば、上の項のような「花だけのハシバミ」として飾ることができます。

余談 ハシバミ谷のネリー

ハシバミを生けていた間にうちに来たお弟子さんに、「これ何の木ですか」と聞かれたので、
「ハシバミだよ。ハシバミ谷のネリーのハシバミ」
と言ったら、
「ハシバミ谷のネリーって何すか」
と言われました。

そういわれて、ハタと気づきました。ハシバミ谷のネリーって、なんだっけ? サキの短編に出てくる歌だろう、そうに違いない、と思って検索してみたら、なんと出展は「赤毛のアン」でございました。
ダイアナがアンに教えてくれると言った歌の名前が「ハシバミ谷のネリー」、でした。