ニューサイラン(ドライ)

2020年6月5日

ニューサイランの葉を、細く裂いて乾かしたものです。

上の画像だけ見ると、「ベアグラスのドライ?」と思う方がいるかもしれません。ニューサイランは、本来はこんな細い葉っぱではありませんから。
このニューサイドライは、葉っぱを裂いて乾かしているために、このような見た目になっています。

可能な限り細く裂いてから乾かしました

ニューサイは、フレッシュなものを裂いて生けることもある花材です。こちらの記事=赤ニューサイラン に、ニューサイを細く裂いた画像をアップしていますが、それよりも、もっともっと細く裂き、さらに乾かしたのが、上の画像です。

これだけ裂くのは、なかなかめんどくさいのですが、花展に使うつもりがあったので、私の手で裂ける「最細」を目指して裂きました。何十枚か裂いたので、費やした時間もなかなかのものでした。昼過ぎから裂きはじめて、夕方までかかったと記憶しています。

緑のニューサイ、赤ニューサイの両方を乾かしました

ニューサイランには、緑のニューサイと、赤ニューサイがあります。上の画像は、左が緑のニューサイで、右が赤ニューサイなんです。それぞれに色味が違うので、混ぜて使うと変化が出せます。
裂き心地は、緑と赤に差は無く、乾くのに要する時間も両者同じくらいでした。

ニューサイの葉の、真ん中だけ裂いています

今回作ったニューサイのドライは、一枚の葉を糸状にバラバラにしてしまうのではなく、一枚の葉の真ん中だけ裂いて乾かしています。ブログの、赤ニューサイの記事で採用している裂き方です。
下の図で言うと、緑の線を葉っぱの輪郭として、赤い線の部分を手で裂いたのだとお考えください。

そうすると、一枚の葉っぱの輪郭は残っていて、中だけワラワラに裂けている状態になります。その、「中だけ裂けてる状態」の、全体像は下のようになります。

↑これは、道具部屋の枝ものに引っ掛けて乾かしたので、引っかかった形のままに乾いています。このサイトで何度も書いていますが、植物をドライ化するときには、どんな姿勢で乾かすかで、かなり出来上がりの形が変わります。ただまっすぐに吊るしておけば、もっとまっすぐな形に仕上がります。

下の画像は、わざとわしゃわしゃに乱れさせた状態で干したものです。

だいぶ違いますでしょ? 一度おとなしい形に乾かしてしまうと、後から手で乱してみても、なかなか暴れてくれません。暴れん坊にしたいなら、乾かす前からそういう形になるように誘導する必要があります。
誘導の仕方によっては、「ハート型風」とかも出来ちゃいます。下の画像のニューサイは、ホントのところは偶然できた形なのですが、最初からこの形を目指せば、「誘導してハート型風にする」ことができます。むしろ、意図してやれば、もっときっちりしたハート型にできるでしょう。

乾いてから、さらに切ったり裂いたりすることで形が変わる

すっかり乾きあがったニューサイを、さらに切ったり裂いたりすると、新たな形が作れます。
たとえば、

↑このニューサイの、根本部分を二つに分けて……

そのまま裂いて、二分割します。

すると、下のように、開き?にできます。

こうすると、長さはほぼ倍ほどかせげます。

または、根本のつながっているところをざっくり切り落としてしまえば……

葉先だけがつながって、下は全部細いワラワラの状態になります。

つながってる必要なし、一本一本の糸にしてしまいたい、と思ったら、上の画像の「葉先」の部分を切り落としてしまえばよいのです。
もちろん、最初から上下をつなげずに、乾かす前から糸状にしてしまえ、というのも可能なのですが、葉っぱ一枚単位でまとまっている方が、乾かしている最中も、乾きあがって保管するときも、私には管理が楽なのです。

糸状になったニューサイは、こんな細さですから……

これが山ほどあると、からまっちゃって、手におえない。

ニューサイの葉っぱ一枚を、バラすことなく「真ん中だけ裂いて乾かした」ものを、草月展の出品作品に使ったことがあります→2015年草月展