火鉢

2020年4月6日

※花器カテゴリは、管理人が自分の所有花器を管理するために作成しているものです。(何らかの方法で管理しないと、持っているのを忘れることがあるので)


見てのとおりの火鉢です。母の実家を改築するときに出てきて、「捨てる」というので貰ってきました。
実は二つあったのですが、大きい火鉢が二つあっても置き場に困るので、一つだけ持ってきました。もう一つは、多分捨てられてしまったのでしょう。

これは、母の実家で本当に実用品として使っていた火鉢です。中の灰が固まってしまっていて、取るのが大変だったと言っていました。灰の量も結構あったはずです。
この火鉢は、直径約24cm、高さも約24cmです。火鉢としては、スタンダードな大きさなのでしょうか。よく、民芸陶器などのお店で、おしゃれインテリア用の「ミニ火鉢」が売っていることがありますが、それと比べると迫力が違います。

母の実家はかなりの「貧」なので、これが高価な品だということは無いと思います。多分、雑貨屋で一番安いのを買って来たような火鉢なのじゃないでしょうか。
安物であっても、甚だしく古いとまた別の価値が出てくることもありますが、これはせいぜい多くて100年くらいしかついていないでしょうから、古道具屋へ持って行っても引き取ってもらえないタイプの古物だと思います。

聞いたところによると、母のじい様(私の曽祖父)なる人は、道具道楽の人で、その人が入手した品だとすると、「ちょっとは良いもの」である可能性もあるのですが、この野暮な柄を見るにつけ、私は「安物に決まっとる」と思っております。

私は、この火鉢を花器にしようと思ってもらってきたわけですが、いざ生けようとしても、これがなかなか難しいです。まだ一回も、まともに生ける勇気を振り絞れたことはありません。
何が生け難いって、一番の要因は、「限りなく火鉢らしい姿」をしていることです。
だって、火鉢だもん、当たり前じゃないかと言われるでしょうが、このように花器以外の素性があまりにもあからさまである器というのは、「いけばな」に昇華させるのが難しいことがあるんです。(難しくないものもあります)

とくに、この火鉢のように、
「特に珍しい形でもなく」(妙なところに花を挿せたりすると、話は大分違ってくる)
「特に珍しい絵付けでもなく」(ありきたりでない柄だと、話は大分違ってくる)
「特に高級感も無い」(素人にも「上モノだ」と分かるものだと、話は大分違ってくる)
というような、総合すると「花器にするにはどうもかわいげに欠け、あまりにも生活じみて、かつありきたりで安っぽいうつわ」になると、「ステキ!」という花を生けるのは、なかなか至難の業になってきます。

上手く仕上げようと思ったら、よほどこの器の個性にあった花を考えるか、いっそ「火鉢ですよ、面白いでしょ」という開き直り作戦に出るか、どっちかだと思います。

ああ、私、この器貰ってきて馬鹿だった。こいつの専有するスペースに見合う分の働きを、こいつがしてくれるとは思えなくなってきました。実は、すでにこいつを花器使用するのを半分諦めかけていて、上に板を乗せて花台にしちゃえ、ということを考え始めています。

一回も使っていないので、中をきれいに洗ったりしていなくて、なんだかまだ灰っぽいです。
↓ ↓ ↓

ほんとに使うことがあるのかな~という感じです。

でも、いけばなに役立ちそうなポイントもあるんですよ。
火鉢というものは、みんなそうなのか、この火鉢だけなのか知りませんが、口のところに「返し」が付いているんです。

これは、良い「ひっかけどころ」になりそうですね。

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追記

この記事をアップした後に、火鉢のとても良い活用法を見つけまして、追記いたします。

わが家には、大抵いつでも、家の洗面所に「暫定的にバケツに入れている花材」があります。それらの花材の、バケツ滞在時間は色々で、一時間後には花瓶におさまるものや、1ヶ月くらいも「きれいに取っておこう」と思ったまま温存しているものや、変な風に切っちゃったので当たり前には飾り難いけど捨てたくは無いと思って保存している花材などが入り乱れているわけです。

で、このような「暫定的にバケツに突っ込む」というシステムを、「ダイニングに置いた火鉢に、ちゃんと人に見られても良いように突っ込む」に変えたらどうだろうと思いました。
そうすれば、今まで洗面所にくすぶっていた期間も、ちゃんと「飾ったもの」として日の目を見させることができます。

下の画像が、実例です。(注 本気で生けていません。暫定的置き場なので)

見られることは見られません? 家のダイニングに、床に直置きの大型火鉢の大作が入ってるなんて、いけばな家っぽいじゃないですか!(いや、私いけばな家だけど)
上にも書きましたが、画像の花は、「作品」とは思っていません。「挿してるだけ」です。でも、いいんです。本気で生けるときは、ここから出すんだから。この場所は、単に「水につけている」のを、ちょっと小奇麗にしたにすぎません。

この火鉢活用法の長所は、「結局、何かに使おうと思ったまま洗面所で枯らせちゃった」ということをさせず、火鉢を置くスペースを、置いてあるだけの無駄スペースにせず、いわば「見せる収納」と同じ心意気を持っていることです。あと、ダイニングに置いているので、うっかり水の管理を怠ることが無いということです。(匂ったりしたら嫌だもん)

短所としては、水換えのときに、風呂場まで火鉢を運んで洗うことになる面倒が考えられます。もしも、「面倒でやっていられない」ということになったらやめてしまうかもしれません。
常時ダイニングに置くのが嫌になったら、うちの稽古日に、お弟子さんたちが使う花材のスタンバイ場所(現在は、バケツを使用)にすればいいか、と思っています。