自分が使った花材事典:マキ
槙の木は、いけばなの世界では、杉や松ほどメジャーではありません。
決して、「超珍しい」とは言いません。クラシックな流派の方には、特にそうかもしれません。
しかし、ごく一般的な教室に通っている皆さんにお聞きしますが、「お稽古に槙が入ってきたこと、ある?」。そういえば無いな、という方が多いと思います。
じゃあ、松や杉が入ってきたことはある?と聞いたなら、これは絶対に「あるある!」なはずです。
「そういえば槙は無いな」と言われるのには、理由があるはずです。そうでなければ、槙のようなメジャーな樹木が、松や杉にそんなに大きな差をつけられるわけはないのです。
私のような古狸になってくると、こういうことの理由を、たいてい推理できるのですが、槙についてはまったく分かりません。
水揚げでもないし、高単価でもないし、扱いが特殊なわけでもない。ほかに何か、理由ってあります?
単価なんか、松よりもずっと安いはずですけど? 杉類と比べたって安いと思いますけど? その辺でいくらでも育ってますよね。生垣にするような樹木だもん。
私の生まれ育った千葉県には、国内でも1・2を争う槙の産地があるのです(うちの母の出身地だったりします)。槙は、杉や松に遅れを取るような花材ではないぞ。このことを、森田健作千葉県知事にお伝えしたい!
ディスカッション
コメント一覧
わたしの師匠は、社中からお当番をきめて、そのお住まいにちかいJR駅の構内に一週間お花を展示させてくださっています。それで、昨年末のクリスマスを含む週をわたしは担当させていただくことになりました。そのときに届けられた花材に、こんな感じの槙がはいっていました。稽古場では一度も扱ったことがない花材です。しかし、クリスマスを待つようにも、お正月を待つようにも見せられるのは、とてもありがたいことだと思いました。
ゲスト様
槙は、葉っぱが「ブロックになる」タイプなので、ちょっとモミの木に通ずるものがありますよね。和も洋もイケる便利花材だと私も思います。