自分が使った花材事典:マキ

2020年2月26日

槙の木は、いけばなの世界では、杉や松ほどメジャーではありません。

決して、「超珍しい」とは言いません。クラシックな流派の方には、特にそうかもしれません。
しかし、ごく一般的な教室に通っている皆さんにお聞きしますが、「お稽古に槙が入ってきたこと、ある?」。そういえば無いな、という方が多いと思います。
じゃあ、松や杉が入ってきたことはある?と聞いたなら、これは絶対に「あるある!」なはずです。

「そういえば槙は無いな」と言われるのには、理由があるはずです。そうでなければ、槙のようなメジャーな樹木が、松や杉にそんなに大きな差をつけられるわけはないのです。
私のような古狸になってくると、こういうことの理由を、たいてい推理できるのですが、槙についてはまったく分かりません。

水揚げでもないし、高単価でもないし、扱いが特殊なわけでもない。ほかに何か、理由ってあります?
単価なんか、松よりもずっと安いはずですけど? 杉類と比べたって安いと思いますけど? その辺でいくらでも育ってますよね。生垣にするような樹木だもん。

私の生まれ育った千葉県には、国内でも1・2を争う槙の産地があるのです(うちの母の出身地だったりします)。槙は、杉や松に遅れを取るような花材ではないぞ。このことを、森田健作千葉県知事にお伝えしたい!