自分が使った花材事典:雲竜柳

えっ……嘘だろ。そんなはずがない。雲竜柳をまだアップしていなかったなんて、そんな馬鹿な!

私は自分が信じられません。なんでこれをアップしないで今日まで来ただろうか。
それほど、いけばな家にとっては馴染みのある花材です。安価なお稽古花にも入ってくるし、超大型の展示花にも使われます。どんなレベルのいけばな家とも近しい存在である枝ものです。

しかも、私は雲竜柳は大好きで、好きすぎてこればっかり生けてしまうので、しばらく封印したことがあるくらいです。

画像の雲竜柳は、うちの稽古場に入ってきた花材です。ほぼ初心者用みたいな花材なので、比較的細い、枝先の部分です。一番太い部分で、下の画像くらいです。

画像だと結構太く見えるかもしれませんが、割り入れができない程度の太さです。
しかし、このような細めの枝でも、雲竜柳の特徴がちゃんと見て取れます。
独特の曲線、太い枝から出る細い枝の繊細さ、グリーンの木肌。優しくも、強くも使えます。

また、柳なので、とてもしなやかでよく曲げられます。私が雲竜柳を好きな理由はこれで、こっちの要求に、ものすごくよく応えてくれるんです。「こういう風に曲がってください」とお願いすると「はいはーい!」なんです。

雲竜柳の、とても太い枝の部分になると、木肌が茶色くなりますが、若い枝先の方はきれいなグリーンです。枯れてくると、これが黒くなってくるのですが、ケチケチ精神を発揮して、枯れても乾かしてとっておき、着色してしまえばドライ花材として使えます。
既製品のドライ花材でも売っていて、漂白したものもあります。ドライになっても流れるような線の美しさは変わりません。

枝先の方まで、きれいな線なんですよね……

雲竜柳という名ですが、場合によっては「雲流柳」と書かれることもあります。どっちも当て字なのかもしれませんので、どっちが間違っている、ということではないと思います。正式にこだわりたい人は、カタカナで「ウンリュウヤナギ」と書いといたらよいと思います。私はよく「ウンリュウ」と略称します。
いっそ、流れるようなきれいな作を生けたら「雲流柳」、力強い作を生けたら「雲竜柳」って書いたらどうかしら。

ところで、たった今気づいたのですが……私はこの記事を書く前に、やはりアップしたことがあったんじゃないかと疑って、「雲竜柳」「雲流柳」「ウンリュウ」でブログ内を検索してみたのです。それでヒットしてこなかったということは……ドラゴン雲竜もまだだってことじゃないか。
おお、なんてことだ。あんなに大好きなドラゴンをアップしていなかったなんて。

というわけで、たぶん、近日中に。ドラゴン雲竜もアップすると思われます。