自分が使った花材事典:蛇の目松
※2018年に追記(画像も追加)しました
蛇の目松は、私の子供の頃からの「憧れ花材」でした。普通の稽古場では、蛇の目松なんぞには、ほぼお目にかかれることはありません。
ちょいと大掛かりな稽古場でも、恐らくほとんど入荷しないと思います。特に「蛇の目を生けよう」という思いでこちらからアクションを起こさなければ、触れもしない花材の一つです。
(画像の色が悪くてすみません)
私、蛇の目松に憧れること34年、ついに昨年暮れに、野望を果たしました。
元々、こういう形の蛇の目松でした
いい格好に矯めましたねえsei先生、と思ってくださった方には申し訳ないですが、この蛇の目松は、最初からこういう格好をしてまして、形を作る努力は何もしておりません。
上の画像の蛇の目松は、一本ではなくて、2本なんです。
↓こういうのが一本と、
↓こういうのが一本。
要するに、線が出ている枝が一本と、茂りのある枝が一本です。
↓あわせたら、当然こうなるっしょ。
この蛇の目松、蛇の目松としては大して良い品物ではなくて、本当なら、茂りももっと欲しいし、線ももうちょっと強いほうがいいです。何より、葉っぱの詰まり方が甘いです。
でもね……二本で850円でゲットしたからね。(大負けに負けてもらった値段です)
文句言ったらダメなんでしょうね。
蛇の目松の特徴
蛇の目松の特徴は、なんといっても「蛇の目模様」の松葉の様子です。
葉っぱに黄色い部分が入ることによって、とても華やかな印象の松になります。
華やかなもんですから、いけばな大家の方が生ける祝い花などには、よく蛇の目松が登場するんです。値段も高いから、ますます大先生ならではの花材になり、「滅多なことでは生けられない」と思っていたせいで、私は
「一生に一度は生けたいなあ」
くらいに憧れていたのでした。
ようやく「蛇の目松を生ける」という野望をわが手にしましたが、人間の欲望には限りがございません。
私の新たな野望は、「葉の詰まった蛇の目松の、大枝を生ける」です。
しかし……さすがにこの野望は果たせないで死ぬかな、多分。
追記:葉の詰まった蛇の目松
※ここからは、2018年に追記したものです
2018年用の正月花に、再び蛇の目松を使う機会がありました。
今度の蛇の目松は、葉がびっしり詰まっています。
樹形としては、普通の根引きで売っているようなものに近い形でした。
こういう、複色がよく現れているところが良いですね。
私には、「蛇の目松は貴重だ」という思いが相変わらず根強くありますので、上の画像のような切れっぱしも捨てる気になりません。
ちょっとした小瓶に挿して飾るとか、お正月飾りを作る材料にするとか、何らかの形で利用します。
今回は、ミニミニ正月花を生けて使い切りました。
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