自分が使った花材事典:蛇の目松

2020年2月5日

※2018年に追記(画像も追加)しました

蛇の目松

蛇の目松は、私の子供の頃からの「憧れ花材」でした。普通の稽古場では、蛇の目松なんぞには、ほぼお目にかかれることはありません。
ちょいと大掛かりな稽古場でも、恐らくほとんど入荷しないと思います。特に「蛇の目を生けよう」という思いでこちらからアクションを起こさなければ、触れもしない花材の一つです。

(画像の色が悪くてすみません)

私、蛇の目松に憧れること34年、ついに昨年暮れに、野望を果たしました。

元々、こういう形の蛇の目松でした

いい格好に矯めましたねえsei先生、と思ってくださった方には申し訳ないですが、この蛇の目松は、最初からこういう格好をしてまして、形を作る努力は何もしておりません。

上の画像の蛇の目松は、一本ではなくて、2本なんです。
↓こういうのが一本と、

蛇の目松

↓こういうのが一本。

蛇の目松

要するに、線が出ている枝が一本と、茂りのある枝が一本です。

↓あわせたら、当然こうなるっしょ。

蛇の目松

この蛇の目松、蛇の目松としては大して良い品物ではなくて、本当なら、茂りももっと欲しいし、線ももうちょっと強いほうがいいです。何より、葉っぱの詰まり方が甘いです。
でもね……二本で850円でゲットしたからね。(大負けに負けてもらった値段です)
文句言ったらダメなんでしょうね。

蛇の目松の特徴

蛇の目松

蛇の目松の特徴は、なんといっても「蛇の目模様」の松葉の様子です。

葉っぱに黄色い部分が入ることによって、とても華やかな印象の松になります。
華やかなもんですから、いけばな大家の方が生ける祝い花などには、よく蛇の目松が登場するんです。値段も高いから、ますます大先生ならではの花材になり、「滅多なことでは生けられない」と思っていたせいで、私は
「一生に一度は生けたいなあ」
くらいに憧れていたのでした。

ようやく「蛇の目松を生ける」という野望をわが手にしましたが、人間の欲望には限りがございません。
私の新たな野望は、「葉の詰まった蛇の目松の、大枝を生ける」です。
しかし……さすがにこの野望は果たせないで死ぬかな、多分。

追記:葉の詰まった蛇の目松

※ここからは、2018年に追記したものです

2018年用の正月花に、再び蛇の目松を使う機会がありました。
今度の蛇の目松は、葉がびっしり詰まっています。

蛇の目松

樹形としては、普通の根引きで売っているようなものに近い形でした。

蛇の目松

こういう、複色がよく現れているところが良いですね。

蛇の目松

私には、「蛇の目松は貴重だ」という思いが相変わらず根強くありますので、上の画像のような切れっぱしも捨てる気になりません。
ちょっとした小瓶に挿して飾るとか、お正月飾りを作る材料にするとか、何らかの形で利用します。
今回は、ミニミニ正月花を生けて使い切りました。