自分が使った花材事典:三光松
三光松は、花材としての「松」の中では、あまりメジャーではありません。流通量では、若松や根引き松に遠く及びません。でも、流通量と花材の魅力は正比例ではありませんので、三光松が花材として劣るということではありません。
私自身、三光松を生けた経験は少ないです。たぶん、2回だけです。
生けた印象としては、「あら使いやすいじゃないの」と思っています。もう少し出回ってもいいような気がしますが、もしかすると特定の流派が使う花材なのかもしれません(五葉松なんかがそうです)。
でも、そんなに値段は変わらないし……画像の三光松は、一本千数百円だったかと思いますが、大きさも幅もあるので、嵩からすると順当な枝もののお値段と言えます。
私が思う三光松の好ましい点は、
- 枝つきが素直なわりに、面白味がある
- 適度な広がりがある
- 葉がこんもりしている
というようなところです。
主になる枝がどーんとまっすぐでも、枝の広がりが面白く、密度の濃い葉の集団が、祝い花に入れるとにぎにぎしくて良い、と思っています。
枝の広がりや葉の付き方は、三光松の最大の特徴である「三又に育つ」ところに由来するのだと思います。画像を見ていただくと「枝分かれが、基本的には三又」なのがわかると思います。たまに4又だったりもするので、ミツマタほどの規則性は無いですが、基本、三方向に、枝が三方に開く感じで育っていきます。「三光」という名の「三」は、この特徴からきているのでしょう。
葉のこんもり具合が、なんか良いんですよね。意匠化されている松の枝に近いように思います。
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