自分が使った花材事典:五葉松

2021年1月9日

五葉松 その1

↑正月の売れ残り花材を、役得で安く買ったものです。
色と、葉の付き方が、いかにも五葉松です。葉が5本かどうか見なくても、葉の色味で五葉松はすぐに分かります。

それと、少しねじれたような葉が密集している様子も、五葉松らしいです。私はこの葉っぱの様子に、なんだかごわごわした動物の毛並みを想起します。

一つ一つの葉を見てみると、ちゃんと一か所から5本の葉が出ています。

なるほど、「五葉」ですね。

私は、今までに自分用に五葉松を買ったことは二回しかありません。(そのうちの一回が上の画像で、もう一回がこの下の項の画像のものです)
普通の花屋として言いますと、五葉は入荷しても売りにくいです。結局、決まった行き先にしか買われて行きません。そのためだけに、わずかな量を確保するのが大変なので、たいていの花屋は、「頼まれない限り置かない」ということになってしまいます。なので、この後もどんどん買いにくくなるでしょう。
五葉松は、「特定流派のもの」という感じの品です。私の属する草月流は、特に五葉を必須としないので、稽古場にほとんど出てきません。

五葉松 その2

私が今まで主に目にしてきた五葉松は、上の項のようなタイプなのですが、「たぶん、品種が違うのだろう」と思う五葉松も一度扱いました。
下の画像がそれです。

↑ここまでタチが違うと、品種違いとしか思えません。五葉松の中にも、いろいろ種類があるんでしょう。たぶん、「〇〇五葉松」というようなものがたくさんあるんじゃないでしょうか。

葉の枚数チェックをすると、ちゃんと五葉です。

この枝は、ちょっとピヨンピヨンでした。たぶん、そんなに良い品ではなかったのだと思います。

こういう、細身で葉が開いている品種ではあるんでしょうけど、それにしてもピヨンピヨンだったので、「品物のグレードとしていかがなんですか?」という感想を持ちました。
しかし、持ちはよく持ったので、何度もいけ変えて楽しみました。(次の記事でいけているのは、この五葉松です)
五葉松だけでなく、ほかの松でも、ちゃんと水につけておけば2月とか、あわよくば3月くらいまで持ちます。正月花だけのものと考えず、「常緑の枝もの」として、枯れるまで大事に生けるといいです。