ドライ松葉(大王松)

2020年6月3日

松 ドライ

自家製の、ドライ松葉です。松葉は放置しておくだけで、簡単にドライになります。

大王松の松葉をドライにする

松葉を干して、ドライにしたものです。松葉にしては、やけに葉が長いのは、大王松の葉だからです。

↓こんな風に、袋に入れてストックしています。

松 ドライ

大王松は、一本の松葉が長い種類の松です。長い葉が乾くと、うねって生のときには無かった線が出てきて、色々面白く使えることがあります。私はそういう狙いでドライ松葉を作るので、短い松葉は使わずに、大王松の葉を使います。

私は、ドライ松葉を作るときは、「生の松を使ったときに、処分する前に松葉だけ取って乾かす」という方法で作ります。ドライ松葉を作るだけの目的のために、松を買ったりはしません(勿体無いですもんね)。
画像のドライ松葉は、下のような立派な大王松を展覧会用に発注し、展覧会後に葉だけ取って乾かしたものです。

松 ドライ

良い形のドライ松葉にするには

ドライ松を面白い形に仕上げようと思ったら、お行儀良く並べたりせずに、葉っぱが暴れるような置き方をして乾かすのがいいです。
↓そのため、画像の松葉は、こんな妙な形で乾かすことになりました。

松 ドライ

上の画像だけでは分からないでしょうが、実はこの松葉の下には、枯れ蔓がたくさん置いてあります。その蔓に、松葉を引っ掛けるようにして積み上げていきました。このような不自然な形にすると、重みでしなってきたり、変な風に引っかかって空中で開いたままになったりして、葉っぱに動きや勢いが出るような乾き方になるんです。
しかも、たまに手で意図的に癖付けしてやったりして、「大王松の意外な顔」が、どんどん出てくるように仕向けます。

↓この画像は、上の画像の一週間後の様子です。

松 ドライ

上の方から、冴えた緑色が褪めてきて、線もヒュンヒュン動き出しています。下の方まで、色が褪めて「枯れ色」になったら、まとめて袋に入れて保存します。

ドライ松葉は、数か月はきれいな色を保てる

ドライの松葉は、季節にもよりますが、3~4ヶ月くらいは、枯れ色といえども緑色が残っているので、「作品」にするなら、その期間に行うのが良いと思います。新しい畳と同じことで、最初は薄緑のきれいな色が、いずれは茶色になってしまいますからね。(茶色の方が作品として面白いようなものならかまわないですが)

↓一年くらいたつと、このくらい茶色くなってしまいます。

線の面白さ自体は変わらないので、これはこれで使い道を考えることはできます。開き直って、着色してしまっても良いと思います。