自家製ドライオーガスタ
自家製です
ドライのオーガスタは、既製品も売っていますが、上の画像は自家製のドライオーガスタです。「既製品も売っている」というか、既製品の方が一般的です。
そもそも、オーガスタの切花は、そんなに気軽に買うものではありません。なので、スターチスみたいに簡単に、「うちで乾かしてみました」ということは、なかなかできないのです。
私が自家製ドライオーガスタを作れたのは、お稽古で切花がゲットできたからです。(フレッシュな状態のオーガスタは、「自分が使った花材事典」で紹介済みです→自分が使った花材事典:オーガスタ)
既製品ドライオーガスタと、自家製ドライオーガスタの違い
自家製と既製品を比較すると、きれいでパッと見が立派なのは、当然ながら「既製品」のほうです。色も既製品のほうがきれいです。
たとえば、私が作った自家製ドライは、このように黒くなっている部分がありますが……
↓ ↓ ↓
既製品では、ここまで黒くなることはなく、茶色か薄茶色の仕上がりになります。
じゃあ自家製作ることないじゃんとも思いますが、既製品ドライオーガスタはそこそこ良いお値段がするのと、自家製だと一つ一つの形にかなり変化が付いて面白いということがあるので、せっかくフレッシュでゲットしたならば、乾かしてみる価値はあると思います。
私のドライオーガスタの作り方
私のドライオーガスタの作り方は、きわめて簡単です。家の中の、一番風通しのよさそうなところに放り出しておくだけです。
私が気をつけることは二点だけで、一つは「カビが出ないかマメにチェックする」こと。もう一つは、「軸が変なかっこうにお辞儀をしないように毎日チェックする」ことです。
カビに注意!
自家製ドライオーガスタを作るときに、最大の敵となるのはカビです。花の部分にも、軸にも、かなり厚みがあり、乾くのに時間がかかるので、その間にカビが発生してしまうことがあります。
「発生することがある」というか、私の経験によれば、正直「ほとんどのケースがカビにやられる」という感じです。私のうちでは、オーガスタを乾かして、一箇所もカビが出なかったことは無いです。(でも、とても風通しが良くて乾燥気味な場所なら無カビでいけるかも)
私は、オーガスタを乾かしているときには、ほぼ毎日カビチェックしますが、チェックしたところで生えてくるものは止められません。あくまでも、生えてしまった部分に早めに対処ができるということです。
毎日チェックすれば、「気がついたら半分ほどカビに覆われていた」「気がついたらカビでグズグズになっていた」などということは無いです。(数日留守にするようなときが問題なんですよね~)
ほんのちょっとのカビを発見し、ふき取るなりして、それ以上カビを広げないようにするために、私は毎日チェックします。ふき取って、その跡の色が悪くなってしまっても、その部分だけ切り取ってしまうとか、着色してしまうという最後の手段がありますので、私はめったに見限って捨てたりしません。
軸を曲げることも、曲げないこともできる
上に、私は自分の作り方として、「軸が変なかっこうに曲がらないように毎日チェックする」と書きました。これは、私が「基本的には直立させた仕上がりにしたい」と思っているためです。今までの経験で、直立しているほうが、何かと使用しやすいと思ったことが多いので、基本的にはまっすぐに乾かしたいです。(「基本的には」ですが、「絶対に」ではないです)
オーガスタの花は、切花の状態では、すごくまっすぐに直立したかっこうをしていることが多いです。少し傾いたような形のものはありますが、お辞儀しているような形のものはまずありません。
これが、そのまま乾いてくれれば直立に仕上がる道理なのですが、乾いてくる過程で、軸がくたっとして曲がってしまうことがあります。
水が抜けて細くなってきた部分が、重い頭を支えられなくなるためにそうなるのですが、これを避けたいなら、逆さにつるして乾かすか、何か支えになるもので曲がらないように細工をして乾かすなど、何らかの工夫が必要になります。
私の場合は、頭の重さを支える支柱になるものに、立てかけるようにして乾かすのですが、実を言えば、画像のオーガスタはうっかりして曲がった仕上がりになってしまいました。
たった一日の間、支柱から外れて曲がった状態にさせてしまい、それが乾いて固定されてしまいました。
↓ほぼ直角に曲がっています……
これはこれで面白いじゃん、とも思うんですけどね。でも、このように曲がったものは、器に放り込んだときに、がっくり下を向いてしまうような形になりやすいので……たとえば、下の画像のようになってしまうんです。
↑これだと、「ただの枯れ草じゃないか」というふうに見られたりします(実際、ただの枯れ草なんですが)。
このように曲がってしまった元凶は、花首の、軸の細い部分です。そこが、ぐたっとなってしまいました。花首の部分は、一番注意しなければならないのに、うっかりしました。
私の場合は、まっすぐに乾かしたいと思っていたので、曲がってしまってがっかりですが、もともと「曲げて乾かそう」と思っているなら、支柱などの対策をせずにわざと曲げるように仕立てることもできます。
特定の方向に曲げようと思っているなら、軸の水分が抜け始めて、少しクタクタするようになってきたタイミングで、好きな方向に曲げて、その形で固定してしまいましょう。(無理に曲げて折らないように注意しましょう)
既製品のドライオーガスタは、妙な形に曲がっているものなど出回っていませんので(みんなお行儀良い形になっています)、もしも花屋に「ドライオーガスタの曲がり」などと発注しようものなら製造段階からの特注品になってしまいます。そんなもん、いくら請求されるか分かったものではありません。
「妙な形のドライオーガスタ」は、自家製ドライの特権みたいなものです。
狙って作った曲がりも、うっかり作った曲がりも、生かせば面白い花材になるはずですので、「うっかり」で曲げてしまった場合も、早まって捨ててしまわないほうが良いと思います。
ドライに要する時間
オーガスタのような、肉厚の花材をドライにするのに必要な時間は、環境によって大きく異なると思われます。花の厚みによっても異なるので、「何日で必ずできる」とは断言することができません。
なので、画像のドライが何日でできたのかだけを書いて、参考にしていただこうと思います。
画像のドライオーガスタは、約一ヶ月半でできました。私の場合は、「出来上がったかな?」と思ってから、さらに二週間ほど様子を見て、「よし、確かに乾いた!」と断定していますので、本当はもう少し早く「乾きあがっていた」のかもしれません。
ドライオーガスタの各部分
軸は、完全に乾くと下のようになります。
触ったときに、「細くなった!」と思いました。軸が細くなって、重さが「おや」と思うほど軽くなったら、大概「乾きあがった」と見て良いのだと思います。
オーガスタは、フレッシュのときには下の画像のように花の苞がとじています。
(下は、フレッシュの時の画像です)
この花苞は、乾いてくると、下のように開いてきます。
パカッと開いて、中に格納されていた花弁が一枚一枚乾いては反り返ってきます。この部分の乾き方のせいで、フレッシュのオーガスタとドライオーガスタの顔は、だいぶ違うものになります。よじくれてピンピン飛び出した花弁のおかげで、ドライのほうが動的な印象が強くなります。
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