自分が使った花材事典:セローム

2018年10月4日

セロームは、滅多に使えない材料なので好きです。
草月流本部のレッスンには、わりと気軽に登場してくれますが、わが家のような、「町の小さなお稽古場」では、よほど運が良くないと使えません。
セロームは、サトイモの仲間です。サトイモ畑を見たことがある人は分かると思いますけど、イモの葉っぱって大きいんですよね。なので、セロームも大きいです。
どんだけ大きいかと言いますと、デジイチ50ミリのファインダーにはおさまらないほどの大きさです。

サトイモと違って、この葉っぱの切れ込みが面白いですよね。
なんとか全部ファインダーに入れたかったけど、結局どこかしらがはみ出してしまいます。。。

開き直ってケータイで撮ってみました。

右側の、葉っぱの後ろに引き戸の取っ手が映り込んでいます。そこから何となく分かるかと思いますが、大体ドア一枚分くらいの幅があります。
今思い出しましたが、私の知人が、全盛期の小錦に出くわしたことがあり、そのときに「幅が一間くらいあった」と言っていました。もちろん、一間のわけは無いので、「実物の寸法×迫力値」みたいな印象なのでしょうが、文字通り受け取るなら、この葉っぱは「小錦の約半分」です。(ダメですよ、「小錦の半分くらいのセローム」なんて注文しては)

今回入手したのは、小錦で言うと1人分です。二枚ですから。

セロームは、やはり葉っぱの面が、花材としてはメインということになるかと思います。(マイパソは、なんで「はっぱ」を「発破」に変換したがるんだろうか……)
しかし、いけばな人は、こういう線が好きだったりします。

茎もしっかりと太いので、むしろ茎を見せ場にするのもアリですね。
そして、サトイモ系はだいたいそうなんですが、裏っ葉がまた面白いんです。

裏っ葉の方が、むしろ面白みも強さも大きく感じることが多々あります。

私は、セロームは、ものすごく多様な顔があるところが好きです。
クールでスタイリッシュな都会派も、
原初の力強さのあるワイルド派も、
とぼけたコメディタッチも、
おどろおどろしいホラーも、
全部イケます。何でも演じられる俳優みたいなもので、この人をどんな風に演出してやろうかなあという喜びがあります。