自分が使った花材事典:小町柿

伝票に「小町柿」と書いてありました。

小町柿……初見じゃないかと思います。(使ったことあるのに忘れている、という可能性はゼロではないけど)

小さめの柿です。かと言って、豆柿ほど小さくもありません。豆柿と普通の柿の中間くらいの大きさでした。

小さめではありますが、実付きがよく、たわわに実っているので、なかなかの重さです。
うかつに小さな花器・小さな剣山に固定しようとすると、ひっくり返ってしまいます。

生けにくさについて、もう一点言いますと、庭木の柿がそうであるように、切り花の柿も、実がある程度以上に熟すると、枝から離れて落ちます。熟しているので、それがつぶれることもあります。
もっと、青っぽい柿であれば、実が落ちてもつぶれることはなかったりするのですが、今回の小町柿は、とても良い色に熟していて、落ちたらつぶれるタイプでした。
こいういうものを、店舗生けこみに使うときには、気を付けなければいけません。

と、言うように、ただ楽しいだけの花材ではないはずなのに、実ものは見てしまうと手に取ってしまいますね……それだけの魅力があるのです。

しかも、いけばな花材としては、最もメジャーな柿は豆柿であり、それ以外の柿が入荷すると、生け手としては、「おっ珍しいの来た」と思って手を出してしまう、という習性もあります。
特に今回は、「小町柿? 知らないなあ」という花材だったので、喜んで手を出してしまいました。