ガンソク

な……なつかしい。

ガンソクです。ガンソク何年ぶりに触ったかな……30年ぶりくらいかもしれない。

ガンソクは、ドライ花材です。昔はメジャーな材料の一つでした。安価なお稽古花セットにも入ってくるようなものでした。昔のいけばな指南書の作品写真にも、よく載っていました。
いつから見かけなくなったんだろう。それすらもう思い出せません。

ガンソクは、ワラビやぜんまいみたいな植物です。なので、最初は先端が丸まっていて、それが成長すると開いてきます。開ききって、立ち枯れたものが、花材として出荷されます。

私は、小学生のころに、ガンソクに初めて出会いましたが、
「なんだこれ」「やや気持ち悪」「でも面白いかもしれない」
という意識で見ていました。手放しに「これ面白い!」とはならなかったと記憶します。

見た目もそうですが、感触も、
「なんだこれ」「やや気持ち悪」「でも面白いかもしれない」
という感じです。
なんかカサカサ、フワフワ、サクサクしていて、一本一本の葉を、いじりたいような、いじりたくないような感触です。

しぶ~い感じにも、怪しい感じにも、重厚な感じにも生けられますし、意外と形が踊っているので、不思議とポップな感じにも生けられます。

ガンソクは、実はフレッシュな方が多く世間に出回ってます。が、花材としてではありません。
若いガンソクは、食用になります。なので、花屋ではなくて、八百屋に出回ります。そんなに流通量が多いものでもないので、八百屋の店頭に出るよりも、料理屋に直行してしまう方が多いかもしれません。私は、一度デパ地下で見たことがあります。いくらだったか覚えていませんが、「高っ」と思ったことは覚えています。