フローリストナイフ

2020年7月15日

フローリストナイフ 使い方

フローリストナイフは、フラワーアレンジメントを作る方や、花屋さんに使用されます。
いけばな家や、植木屋さんにも、持っている人はいますが、「フローリストナイフが主力ツール」ということは、あまりないと思います。

管理人も、フローリストナイフを持っていますが……

フローリストナイフ 使い方

私自身は、「フローリストナイフは持ってはいるけど、愛用しているとも言いがたい」というところです。
私は、どうしてもフローリストナイフでないとできない仕事というものは無いように思うのです。フローリストナイフ派の人がナイフでやっていることの多くは、鋏やカッターナイフなどでも出来る仕事です。

じゃあなんで私はフローリストナイフを持っているのかと言うと……ぶっちゃけ「惰性」ですかね。若い頃、花屋になったばかりで、一応すべての道具の使い方を身に着けたかった頃に購入し、持っているからというだけの理由で使ってきたように思います。

私の知っている職人の皆さんも、使う人は使うし、使わない人は使っていません。ということはつまり、「花仕事に必須」ではないのだと思います。古いタイプの花屋さんには、
「フローリストナイフは完全に不要。すべてのことは鋏でできる」
と言い切る人もいます。

フローリストナイフの利点

そうは言っても、フローリストナイフが何の長所も無いのであれば、道具としてとっくの昔に淘汰されてしまったはずです。そうなっていない以上、この道具にも独自の長所があるはずなのです。

フローリストナイフの長所として、一般的に言われていることは、鋏よりも切れ味が良いということなんですが……

フローリストナイフ 使い方

……私はそれを体感したと思ったことが無く、「そうすかあ?」という感じです。それに、切れ味というのは、刃の手入れが行き届いてなかったら話にならないので、「鋏にしろ、ナイフにしろ、きちんと管理されている道具のほうが切れる」というのが正解かと思うんですけど?

もう一つ言われている長所は、こっちのほうが私は納得できるんですが、「ナイフは一方向に切るので、断面が鋏で切ったものよりきれい」というものです。

「一方向に切る」という意味は、要するに、一本の茎を、一枚の刃が走る、ということです。
↓つまり、ナイフはこういう風に切ります。

フローリストナイフ 使い方

でも、鋏は、二枚の刃が交差することによって切っていくので、下のように切ることになるのです。

フローリストナイフ 使い方

↑これだと一方向斬りではないので、真ん中で刃がガッチャンコした部分が押し付けあってつぶれることになります。この「つぶれ」が、ナイフだと発生しない!というわけです。

切り口のつぶれは、切花では最大限避けるべきものであって(水揚げのよしあしにかかわってきます)、そう思うと圧倒的にナイフのほうが優れた道具となるはずなんですけど、これも私は「ナイフで切ったものの方が断然持ちが良かった」と体感したことが無いので、「う~んそうすかあ」という感じです。
しかし、理論上は、確かに「一方向斬り」のほうが良いはずだろうと思います。また、「ナイフで切ったものの方が持ちが良いです」と断言する職人さんも存在するので(アレンジメントのハウツー本などでは、「ナイフで切ったものの方が持つ」と明記されているものもあります)、体感したことの無い私でも、一理も二理もある、と思っています。

フローリストナイフの使い方

実際に持って使い始めれば、使い方を特に教わるまでもなくわかっていくと思いますが、一度もフローリストナイフを使ったことの無い人のために、ごく基本の使い方だけ書いてみます。

シンプルに、茎を一本切るときの方法です。
下の画像のように刃をあてます。

フローリストナイフ 使い方

親指は、茎に添えられています。
この手のポジションのまま、刃をざくっと下方向に押す感じです。
親指切りそうに感じるかもしれませんが、刃と一緒に親指を平行移動させるので、刃と親指の距離は切る前と後で変わりません。りんごを剥くときみたいに、刃を親指に近づけていくような切り方とは違います。
(フローリストナイフを使うシチュエーションはいろいろあって、そのときによっては親指を添えることなくスパスパ切ることもあります)

フローリストナイフも花鋏も、どっちも刃物なのですが、私が「怪我しそうで怖い」と感じるのは、完全にナイフのほうです。しかし、20年以上もナイフを使っていても一度も怪我をしたことなど無いので、実際にはそうキケンな道具ではありません。
私が「鋏のほうが安全ぽい」と思うのは、鋏を使う時間のほうが自分は何百倍も長いから慣れ親しんでいる、というだけのことなのだと思います。

フローリストナイフのほとんどは折りたたみ式なのですが、

フローリストナイフ 使い方

刃をたたんで入れるときが、私はいまだにちょっと怖いんですね~。いつか、絶対に切ると思うのね。(20年使っても切ったことないけど……)

私にとってのフローリストナイフの利点は、「大きさ」

「フローリストナイフの利点」の項では、一般的な「利点」について書きましたが、ここでは私個人が思っている利点だけを書きます。

私が、フローリストナイフって本当に良いわよね、と思うのは、ズバリ、大きさです。

フローリストナイフ 使い方

折りたたんでしまえば、手のひらにすっぽり収まる大きさ。重さだって知れています。この大きさが(てゆーか小ささが)、私には心からうれしいです。フローリストナイフを一本持って歩くだけなら、小さなバッグでも大丈夫なのですから。

私は、外出時に8割くらいは花屋鋏(ハンドクリエーション)を持っています。私のはさみはデカいので、それを入れて歩けるかばんが限られるのです。それに、いつでもデカ鞄を持って歩いていると、荷物の大きさがほとほと嫌になることがあるのです。(女性ならわかってもらえると思う!)

今日はナイフ一本で大丈夫っしょ、と思うと、私は身も心も軽やかになれます。
だって、はさみとナイフは、こんなに大きさが違うんですからね。

フローリストナイフ 使い方

持ち歩き時のストレスに、大きな差が出るってものです。

あと、この大きさのために、ナイフは最悪口にくわえられるんです。これ、はさみでは絶対にできない芸当です。

私にとっての、フローリストナイフのキライなポイント

私には、やはりナイフよりも鋏の方が、破壊力も機動力もある道具なので使いやすいです。
フローリストナイフというのは、結局できないことが多すぎます。
太い枝は切れない、少し硬いと草花の茎も切れない、左手一本で操れない、頻繁に買い換えたくないので手荒く扱えないetc

しかし、サブ的な道具としては、「なんでもできるわけじゃない」のは当たり前なのです。なので、上記のようなことは、キライなポイントではありますが、文句を言うべきポイントではないのだろうと思います。

フローリストナイフの刃は「カーブ」か「ストレート」か

フローリストナイフは、大きく分けると、カーブ(曲がり刃)とストレート(直刃)の二種類があります。私がメインに使っているナイフは、上の画像を見ていただけば分かるように、「カーブ」です。

カーブとストレートはどっちが良いのかというのは、色々意見が分かれるところなのですが、私は、「結局は慣れじゃないのか?」と思っていたりします。
売っている商品数を見ると、どうも「カーブ」のほうがメジャーのように感じますし、私自身、カーブには茎をつかまえるホールド感があるように思うのですが、「カーブが必要なものなら、包丁や小刀もカーブしてるはずでは?」と言う人や、「カーブは怖い」「初心者はストレートがいいのでは」という人は数多く存在しています。それになにより、「こっちのほうが優れている」という決定的な答えを聞いたことがありません。

本当を言うと、私は「ストレート」も持っているのですが……

フローリストナイフ 使い方

私は最初に持ったナイフが「カーブ」だったので、この「ストレート」になじめずに、ほとんど使うことなくしまいこんでいます。
自分のお金で買ったものだったら、あるいはもう少し使う気になったのかもしれませんが、人から譲られたものでして、しかも「ストレートを買ってみたけどなんかしっくりこないから」という理由で手放したがっていたものをもらってきたものなので、なんとなく自分にも「しっくりこない」気がしたのかもしれません。

上記の事実から、「白黒つけるのは難しい問題であり、慣れているほうを使うのがベストなのではないか」ということが言えるのではないかと思います。

フローリストナイフを買おうかな、と思っている方へ

フローリストナイフを便利そうだと思っている方、なんとなく好奇心で使ってみたい方、アレンジメント教室に入りたてで、フローリストナイフを買わないといけない状況にある方などに、
「どんなフローリストナイフを買ったら良いですか?」
と聞かれたとするなら、私だったら、

「ストレートでもカーブでもどっちでも良いと思うけど、世間的にはカーブのほうが少しメジャーらしいですよ。万能な道具ではないので、まずは一本手軽なものを買って試運転、みたいな気持ちで買うといいかも。最初の一本なら、2000円でおつりが来る程度で十分」

とか言うと思います。

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