桐の実

2020年5月21日

桐の実

お稽古で使った桐の実を取ってあります。

「桐の実」は、高級花材

いけばなをやっている方なら分かるでしょうが、お稽古花で桐を使えるような幸運には、滅多に出会えるものではありません。なぜなら、桐の枝は、枝ものとしてはちょっと高級で特殊な部類に入り、町の花屋さんでは、なかなか見かけないからです。桐の枝を生けた経験のある人は、大半が「展覧会」での経験だと思います。
私がこの花材を生けたのは、草月流本部の稽古場でした。流本部くらいの場所でないと、花屋さんもなかなか桐は持って来ません。

しかし、桐の木を植えている家というのは、たまに街中で見かけますから、そういうお宅に「剪定枝でいいからください」と頼み込んだりすれば、無料でゲットできないこともないのかなと思います。(いい枝がゲットできるかどうかはわからないですけど)

「ドライ桐の実」です

この桐の実、見てのとおり、すでに枯れ物となっています。稽古で使ったときには、枝としてはまだ水を吸っていましたが、実の部分はほぼドライ化していました。

私は、枝がすっかり枯れても捨てずに取っておきました。前述のように、「ちょっと高級で特殊」ですし、実は当初からドライ状態ですし、次はいつ手にすることができるかわからない花材ですから、もったいなくて捨てなかったのです。

もう少し、実に寄ってみましょう。

桐の実

桐の実を見たこと無いかたは、とっくりとご覧ください。(ドライだけど)
「実」といっても、桃や柿みたいな「果実」ではなく、殻の中に種が詰まっているような実です。

「桐材」の桐です

桐の実

ご存知だと思いますが、桐というのは、桐下駄とか、桐たんすにする、あの桐です。昔は、女の子が生まれると庭に植えて、大人になったらその桐でお嫁入り道具を作ったという、あの桐です。なので、栽培自体は、そんなに難しくはないんじゃないのかと思います。

桐の実は、魅力的な花材

桐の実

たっぷりと実が付いています。大枝に、独特な形の実がついてるところが、迫力があって面白いです。一枝で存在感があるので、展覧会などでビシッとキマると大変かっこいいです。

私の持っているこの枝も、いまだに迫力がありますので、機会があれば展覧会にも使うかもしれません。私は、本当を言うと、枯れ物というのは、大して好きではないのですが、桐は枯れて茶色くなってもますます凄みが出るような花材ですので、いけばなの材料としては魅力を感じます。

桐の実を、食べる?

なぜかこの記事には、「桐の実を食べる」という検索ワードで来てくださるかたがたくさんいます。
しかし……食べられないと思いますよ。桐の実の殻の中身、私は見たことありますけど、到底食べられそうではありません。

昔は食べてたかも、とも思えないです。なんか、ボロボロした種だけが入ってますもの。

もしかすると、桐の仲間で食べられるものがあるのかもしれませんが、いわゆる桐の実は、食べられないと思います。人間だけじゃなく、鳥だって食べないように、私には見えます。