さらし楮

2020年3月29日

無料でゲットした「さらし楮(こうぞ)」

さらした楮(こうぞ)です。これは、人からいただいたものなので、買ったらいくらくらいするのか分かりませんが……そんなに安いものには見えません。

楮というのは、和紙の原料になる木です。
和紙の原料の話になると、「三椏・楮」というセット扱いになりますよね。画像の楮も、和紙関係の分野から仕入れたものなのかもしれません。なぜなら、さらし花材として、楮というものは一般的ではないからです。何を隠そう、私も画像の楮が、「人生初楮」でした。

扱い方は、簡単か難しいかの二択なら、「難しい」になるような気がします。
まだ、本格的には扱っておらず、ちょっと触ってみただけに等しい楮ですが、見て分かる範囲で感じた可能性を、下記にメモしておこうと思います。

長さはかせげそうだ!

いただいた楮は、かなり長いものです。

全長約110㎝。しかも、乾いていて軽いので、つなぎ合わせて長くすることにも耐えられそうです。
あと、数がある程度まとまってあるので、「集団」で使う面白さも探せそうです。

太さは「手ごろ」な感じ

太さは、まあまあ扱いやすそうに思えます。

存在感も、耐久性もある太さです。それでいて、ノコギリで切りたくなったら簡単に切れる太さでもあります。
立てても、横にしても、はたまた斜めにしても使えそう。ビス留めしたら、建築物みたいに作っていくこともできそう。

……こうやって書いてくると、なんだかとっても扱いやすそうに感じるかもしれません。でも、私はここまで「作業の上」の扱いやすさしか書いていません。つまり、表現の上では、本当にこの素材を美しく面白く使うのは、なかなか困難ではないかと思えます。

さらし楮で表現できるものを、これから考えます

この素材の魅力は、さらした木肌の美しさと、その美しさを強調する長さ、独特の質感が全体にあること、だと思います。
ただ、ちょっときれいすぎて、作り物臭がするようなものになる可能性が高そうです。

木の切り口も、きれいなまん丸で、下手に使うと、既製品素材の顔が丸出しになります。

丸くてまっすぐで長くて、それがきれいなんだけど、そこをどう強調すると表現として面白くor美しくできるのかが難しそうです。

特に、丸くてまっすぐなところは、素材独自の面白さをしっかり出していかないと、普通の「丸材」に間違われる危険性があると思います。
そうなったら、おしまいというか、素材を使う意味がなくなります。わざわざ楮を使っているのなら、楮を使った魅力が発生していないとダメだと思います。

楮の「和紙仲間」である三椏は、さらし花材としては代表的なものの一つです。三椏のほうには、上記のようなタイプの扱いの難しさはあまりありません。三椏は、それ自体の形に圧倒的な個性があるので、どう使おうが三椏独自の顔が表面に出てきます。
結局、こういうところが、メジャーな花材とそうでない花材を分けるのでしょう。
メジャーでない楮は、生けるのがやっぱり難しいのだと思いますね。

これから、試行錯誤して、使い方を探っていこうと思います。